育児法|子育てにミラーニューロンを使う
その神経細胞は、自分が行動するときも、他人が行動するのを見ているときも、反応する。
子供が別の子供の行動を見ているときや親の行動を見ているときには、ミラーニューロンが反応している…ということだ。今回は、子育てにミラーニューロンを使う、というテーマで書く。
目次
- 目次
- ユニークな神経細胞がある
- 他人の行動を理解することと関係がある
- 認知障害と関係があるかも
- 子育てに利用する
- スポーツでは一流のプレーを見る
- 子どもに真似してもらいたくないことはしない
- 子どもの顔を見て話す
- まとめ
ユニークな神経細胞がある
自ら行動するときと、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられている
出典:ウィキペディア
この神経細胞のユニークなところは、以下の点だ。
他人の行動を目にする ⇒ 自分自身が同じ行動をとっているかのように反応する
この神経細胞は、自分が行動するときはもちろんだが、他人の行動を見たときでも、「あたかも自分が行動しているかのように」働くそうだ。他人の行動を見て、シミュレーションすることができるのは、ミラーニューロンのおかげだ。※イメージトレーニングもそうだろう。
他人の行動を理解することと関係がある
ミラーニューロンの働きから、以下の仮説を立てることができる。
1)他人の行動をよく観察することにより、他人の行動を深く理解すること(共感すること)が、できるようになるのではないか。※気配りができる、相手の立場に立って考えることができる、などにつながる。
2)(スポーツなどでは)理想的な動きを目にすることにより、技量が上達するのではないか。※一流の選手の動きを盗む(自分に取り入れる)ことができる可能性がある。
認知障害と関係があるかも
ミラーニューロンの障害が、自閉症などの認知障害を引き起こす、という研究も存在するそうだ。
その神経細胞の欠如が、模倣、共感などの障害を起こす、という主張もある。※仮説であり、証明されているものではない。
言語能力にも関係しているのではないか、という説もある。
たとえば、幼い子どもに対しても、赤ちゃん言葉を使わない方がいい、という説がある。
大人と話すときと同じ話し方で接すると、子どもの知能がより発達するとされる。この説にも、ミラーニューロンが関与しているのかもしれない。※赤ちゃん言葉は使わない方がいいのかも。
子育てに利用する
先に述べた仮説が正しいとすれば、ミラーニューロンを子育てに利用できるかもしれない。
ママが楽しむことで、自分も同じように楽しい体験をしていると感じるのだそう。だから、ママが自身が楽しむことが大事と言われているのです
出典:親子で英語を楽しんだ子どもは「バイリンガル」になりやすい理由
この記事では、親子で英語を楽しんだ子どもは「バイリンガル」になりやすい理由、として、ミラーニューロンを利用する方法が書かれている。
具体的には、ママと子どもが一緒に楽しめる教材を選んで、英語を学習する、というものだ。
この方法のポイントは、「ママが楽しめるかどうか」だ。ママが楽しんで英語の学習をしていれば、その様子を目にした子どもに、同じような反応が期待できる、ということだ。
スポーツでは一流のプレーを見る
スポーツでは、お手本になるような一流のプレーを見ることが大事だ。
テレビなどで一流選手のプレーを見ると、(できるはずもないのだが)「自分でもできるのではないか」と思う(錯覚する)ことがある。おそらくそのときには、ミラーニューロンが働いているのだろう。さらに、自分がその選手になったつもりで観戦すれば、より効果があるのではないか。
テニスであれば、選手が打つ前に、選手同様に打つコースや強さ、球種を考える。
ゲームの組み立てを考えてもいいだろう。ゴルフであれば、そのコースをどう攻めるのか、(その選手になったつもりで)考えてみるのだ。
プロのスポーツ選手を目指すのであれば、子どものうちからミラーニューロンを活用する意識&努力が必要になるだろう。
もちろん、そこまで行かなくても、「泳げるようになりたい」、「サッカーが上手くなりたい」というレベルの話でも、この神経細胞を活用する意識&努力があれば、早く上達できるだろう。
子どもに真似してもらいたくないことはしない
子どもに真似してもらいたくないことを、親がしてはいけない。
子どもに対し、親が「好ましくない姿」を見せると、そのときにもミラーニューロンが働いて、子どもが真似してしまうのだ。よく、親がだらしない恰好でテレビを見ていると、子どもが親にそっくりな恰好でテレビを見ていることがある。これには、脳科学的な理由があるのだ(笑)。
子どもの顔を見て話す
子どもと話すときは、キチンと子どもの顔を見て話したい。
また、子どもと接するときは、表情豊かに接するといいだろう。
親が表情を表に出さないタイプであれば、子どももそうなってしまいがちだ。なかなかしんどいことではあるが、親はロールモデルのように、子どもと接する必要があるのだ。
子育てを通じて親も成長する、と言われる所以である。
まとめ
今回は、子育てにミラーニューロンを使うというテーマで書いた。
親ができることは、「ロールモデル」として、子供と接することだ。
たとえば、だらしない姿を見せない、普段から姿勢を良くする、相手の話をキチンと聞く、あいさつをする、人やモノに興味を持つ…といったところだろうか。
※赤ちゃん言葉を使わずに子どもと話す、ということも有効かもしれない。
もちろん、一流のプロフェッショナルの姿をみせたり、親が勉強する姿をみせる…ということも有効だ。親はなかなか大変だが、自分も成長するつもりで、トライしてみてはどうだろうか。
今回の記事:「子育てにミラーニューロンを使う」