上手な子育て|子供を魅力のある人に育てる方法
人として魅力があるかどうか…これは大切な要素だ。
子どものときどんなに成績が良くても、人としての魅力がなければ、社会に出て成功することはできない。多くの仕事は、チームで行うものだ(チームで行うから、(相乗効果で)大きな仕事ができ、多くの利益を得ることができる)。
したがって、同僚に「たしかに優秀だけど、あの人とは一緒に仕事をしたくない」と思われるような人物であれば、組織の中で埋没してしまったり、居場所がなくなってしまうのだ。※能力に比した成果を上げることができない。
では、どうすれば子どもを、多くの人から好かれたり尊敬される「人的な魅力のある人」に育てることができるのだろうか?今回は、このテーマについて書いてみたい。
目次
- 目次
- すべてのベースは自信にあり
- 自信のない子供は成功体験を積めない
- 自分に自信がなければ…
- 脳の働きも悪くなる可能性がある
- わかりやすく愛情を与える
- なぜアメリカ人は自信満々なのか?
- 外遊びをさせる
- 失敗を経験させる
- まとめ
すべてのベースは自信にあり
わたしは、「自信」がとても大事だと思う。
魅力的な人は、自分を肯定し、自分に対し自信を持っているが、そうでない人は、(どちらかと言えば)自分を否定し、自分に自信を持てていないことが多い。そのことには、理由がある。
自分に対する自信があるかどうか、自分を信用しているかどうか、で、同じことをしても(もともとの能力に差が無くても)、結果が違ってくる。※自信の有無が、結果の大きな変数になる。
自信のない子供は成功体験を積めない
自信のある子供は着実に成功体験を積むが、自信のない子供はそうではない。
あなたも、「失敗する」と思っていると、本当に失敗したり、弱気になっていると、物事が上手く進まない…という経験をしたことがあると思う。子供でも同じことだ。たとえば、テストで失敗する、入試に失敗する…と本人が思っていれば、本当に失敗する確率が高くなるのだ。
実はこの現象は、体のメカニズムから説明できる。
自分に自信がなければ…
もし、自分に自信がなければ、絶えず不安にさらされることになる。
自分の考えや行動に自信が持てず、いつも人の目を気にしたり、将来に対し不安になったり…ということだ。その結果、本来不要なストレスを受けやすくなってしまうのだ。
人はストレスを受けると、ストレス反応が起こり、ストレスホルモンを分泌する。
体をストレスから守ろうとする働きだが、ストレスが慢性化すると、このストレスホルモンが体にダメージを与えるようになるのだ。たとえば、人は驚くと脈拍や血圧が上がる。
これは、とっさの出来事に備えようとして、脈拍や血圧を普段より上げ、素早く動けるようにするためだ。この状態が短時間であれば問題ないが、長時間になると体にダメージを与えることになるのだ。慢性的な高血圧が体に好ましくないことは、ご存じのとおりだ。
※ストレスホルモンの働きにより、脈拍や血圧が上がる。
脳の働きも悪くなる可能性がある
同様に、ストレスホルモンは、脳にも悪い影響を与えてしまう。
記憶をつかさどる海馬や、前頭前野にも悪影響を及ぼすのだ。※脳の働きが悪くなり、記憶力、判断力、意欲などに悪影響が出てくる。
だから、自信のない子どもは、学校の成績もさえないし、物事に対する意欲も低く、(簡単に言えば)輝いていないのだ。本来の能力や魅力を発揮できず、くすんでいる状態だ。したがって、とても「魅力のある状態」とは言えない。
人としての魅力がなければ、人も集まらず、良好な人脈や人間関係を築くチャンスも失われる。
子どもの頃からこうでは、おのずと先が見えてしまう。なので、子どもにそのような兆しがあれば、すぐに対策を講じることが必要になるのだ。
わかりやすく愛情を与える
自信のある子に育てようと思えば、親が惜しみなく愛情を与えることだ。
大人でも、両親の愛情を受けて育った人とそうでない人は、見れば大体わかる。
両親の愛情を受けて育った人は、自己肯定ができており、明るく前向きで朗らかなのだ(このタイプの人は魅力的だ)。そうでない人は、自己肯定が十分できておらず、どこか暗くネガティブな印象を他人に与えることが多い(明るく見えても影がある)。※もちろん例外はある。
なぜアメリカ人は自信満々なのか?
日本人とアメリカ人を比べた場合、アメリカ人の方が、自分に自信を持っている人の割合が多い。
私見だが、これには「ハグ」の文化が影響していると思う。
アメリカ人の場合、子どもは生活の中で、親や祖父母とハグしたり、友達とハグすることがよくある。ハグされることで、子どもは、「自分は愛されている」、「自分は必要とされている」という感覚を持つ。
その感覚を何度も持つことで、自己肯定を深め(それが当たり前のことだと思い)、自然な形で自分に自信を持つのだ。日本にはハグの文化がないので、それに相当するものを考えなければいけない。まず、幼少期は、積極的にハグで愛情表現しよう。
だが、子どもがある程度大きくなれば、ハグを嫌がるようになるだろう。
そのときに、どのように愛情を表現するか…ここが思案のしどころだ。大人になって、「ああ、あれは親の子どもに対する愛情だったんだな…」と感じることがあるが、それでは遅いのだ(感じないよりはマシだが…)。したがって、子どもに(リアルタイムで)伝わる形で、愛情の表現をする必要がある。※アメリカ人でも自信のない人はいる。あくまでも割合の問題だ。
外遊びをさせる
次に、外遊びを目一杯させることだ。
外遊びについては、「子供の外遊びの効果と大切な理由」という記事で書いたので、ここでは多くを述べない。
外遊びを通じて、さまざまな五感を刺激するインプットがあることを知り、それを実体験として取り入れることは、 人間形成の上で大事なことだろう。
バリエーションに富む豊かなインプットが、良質なアウトプットにつながるためだ。※良質なアウトプットは、人としての魅力につながる。なので、子供には外遊びをさせた方がいい。
失敗を経験させる
失敗を経験させる、と言っても、意図的に失敗させる、ということではない。
子どもにチャレンジさせる、ということだ。
自分の力よりやや上にある目標を達成するためには、失敗をしてそこから学び、修正して失敗を乗り越える、というプロセスを踏む必要がある。※チャレンジすれば、失敗は必然になる。
失敗をして落ち込んだり、恥ずかしい思いをしたり、どうしたらいいのかわからなくなったり、という感情を経験することが、襞(ひだ)になり、人間性に厚みを加えることになるのだ。
もちろん、そこで足を止めてはいけない。
その状態からどうやれば抜け出すことができるのか、何を学べばいいのか、どのように修正すればいいのか、もっと言えば、失敗をどのようにとらえればいいのか、について、よく自分で考えさせなければいけない。親は子どもに対し、そのような機会をたくさん用意すべきなのだ。
まとめ
今回は、上手な子育てとして、「子供を魅力的な人に育てる方法」について書いた。
今回の記事で書いたその方法とは、1)わかりやすく愛情を伝える、2)外遊びをさせる、3)失敗を経験させる、の3つだ。
最初の「わかりやすく愛情を伝える」には、子供の話を真剣に聞く、子供との約束はキチンと守る…などの(一見、愛情とは関係のなさそうな)具体的な行動も必要になるだろう。
このことに気づけるか…ということも、子育てが上手・下手の分かれ目になりそうだ。
今回の記事:「上手な子育て|子供を魅力のある人に育てる方法」