後悔しないための子育てブログ

後から「しまった!」のない育児をしたい

子供の結果ではなく過程を認めるということ

育児書を読むと、子供の結果ではなく過程を認めよ、と書いている。

大人の場合は、結果で評価されるが、子供の場合は、結果よりもプロセスを評価した方がいい、ということだ。この意見には同意するが、育児書よりも、突っ込んで深く考えてみたい。

今回は、子供の結果ではなく過程を認めること、について書いてみる。

 

 

 

目次

結果を評価したらどうなるのか?

結果より過程が大事

結果のみを評価するタイプの親がいる。

厳密には結果のみではないのかもしれないが、主に結果を評価する親だ。

具体的にいえば、テストの結果やクラスでの順位など、数値を見て子供に対する評価を下す親のことだ。このタイプの親は、子供のテストの結果などが良ければ、上機嫌になり、悪ければ不機嫌になる。※親が未熟だといえば、そのとおりだ。

過程(プロセス)と比較すると、数値はわかりやすい。

なので、数値で評価する、という気持ちはよくわかる。現に、大人の世界では、普通に行われていることだ。ただし、この評価方法は、(子供のみならず)大人の世界でも問題がある。

数値を追い求めグレーゾーンに踏み出す

ひとつは、数値を追い求めるあまり、道を踏み外しやすい、ということだ。

ビジネスにおいては、自己の都合だけではなく、顧客の都合を考える必要がある。

しかし、 数値を過度に追い求めるようになると、なりふり構わず、自己の都合ばかりを優先させてしまうようになるのだ。たとえば、顧客の利益を毀損してでも、自分の利益を得ようとしてしまう。それが行き過ぎて、グレーゾーンに入ってしまうこともあるのだ。

 

 

 

この問題を子供に置き換えると…

子供がテストの点数ばかりを気にするようになり、手っ取り早く点数を上げるために、カンニングをしたり、テストを返してもらったあとに、間違った答えを正しい答えに書き直し、マルをもらって点数を上げようとする、という安易な不正行為を行いがちになる、ということだ。

※子供に好ましくないモチベーションが働く。人は安易な道に進みやすい。

将来への投資をしなくなる

目先の数字を求めれば、将来への投資をしなくなる。

将来への投資というものは、目先の数字とは直接関係がない。

大人であれば、仕事以外の社会活動をする、仕事とは関係のない本を読んで教養を深める、資格を取るために勉強する、一流のものにふれる、などいろいろあるだろう。

重要度の高い活動なのだが、目先の数字とは直接関係がないため、軽視してしまうのだ。子供の場合は、外遊びをしない、いろいろな活動に参加しない、などということになるだろう

※子供の外遊びが大事なことは、以前の記事で述べたとおりだ。

結果を出せないときに落ち込む

努力をしても、結果に上手くつながらない…ということがある。

学習高原(プラトー)という言葉を聞いたことがあると思う。

力を蓄える時期 ⇒ 伸びる時期 ⇒ 学習高原期

人の学習期というのは、上記のように3つに分けることができるが、「力を蓄える時期」と「学習高原期」には、努力をしても、上手く結果につながらないのだ。したがって、努力しても思うほど結果が出ない…ということは普通にあることだ。

そんなとき、親が(過程を評価せず)結果を求めて叱責したりすると、子どもは「自分はダメなんだ」、「努力しても結果を出せない」、「自分は頭が悪い」と、自分に対して否定的な感情を抱いてしまうのだ。

その結果、子供は自己肯定できなくなってしまう。自己肯定できなくなると、自信を育むこともできなくなるので、非常にまずい(自己肯定の阻害は、何としても避けたいことだ)。

過程を評価することが大事になる

だから、子供の場合は特に、過程(プロセス)を評価することが大事になる。

※ちなみに私は、大人の場合も、結果だけではなく、プロセスも評価すべきだと思っている。正しいプロセスを踏んでいれば、(今結果は出なくても)そのうち結果はついてくるからだ。

プロセスを評価することで、先に述べた「まずい状況」を回避できる。

子供も、結果だけではなく、努力(プロセス)をフェアな形で評価してくれている、と感じ、安心感を持つだろう(転じて、存在を認められている…という気持ちにもなる)。

そして子供は、その安心感をベースにして、チャレンジできるようになるのだ。※背後に安心感がなければ、不安を感じるので、チャレンジすることができなくなる。

過程が間違っている場合は…

過程を評価する、と言っても、過程が間違っている場合がある。

努力をしていない、というのは論外だが、努力をしていても、「間違った努力」というものがあるのだ。※この場合は、学習高原ではなく、将来的にも成果が期待できない。

なのでその場合は、修正する必要がある。

そのときは、親が頭から「こうしなさい」と言うのではなく、子供と一緒にどこが間違っているのか、考えるといいだろう。親がわかっていても、子供に自分で考えさせることが大事だ。

そして、どこが間違っているのかわかれば、修正プランを立て実践する。

子供の年齢にもよるが、可能であれば、このあたりの作業も、子供に任せた方がいいだろう(親は補助する程度でいい)。このとき、以前の記事でも述べたが、子供の自律性を最大限尊重することで、子供が「やらされている」と感じないようにすることがポイントだ。

まとめ

今回は、子供の結果だけではなく過程を認めること、について書いた。

子育てでもビジネスでも、結果を評価する、という人が多いが、わたしは過程の方が大事だと思っている。結果を高く評価すると、子供や部下がグレーゾーンに踏み出しやすくなる。また、短期的な結果を求めて長期的な利益を毀損する可能性がある。

さらに、短期的な結果というのは、運にも左右されるため、ブレが大きくなる。過程に問題があっても、結果が出る、ということがあるのだ。そんなとき、結果が出たのでOKとしてしまうと、中長期的に痛い目にあう。そのとき「しまった!」と思っても、時間を取り戻すことはできない。

過程がしっかりしていれば、短期的な結果が伴わなくても、結果はそのうちついてくるのだ。 

今回の記事:「子供の結果ではなく過程を認めるということ」