子供の意志を強くする方法
意志力というのは、人生の成否を決める大きな変数になる。
何かの才能があっても、「才能ほど成功していない」、「才能を生かせていない」という人は、意志力が弱い可能性がある。※スポーツ選手などで、よく見られることだ。
目標を達成しようと思えば、意志力に基づく地道な努力が必要になるからだ。※人生において、ある程度成功しようと思えば、「才能+努力」が必要だ。どちらかひとつでは不十分なのだ。
今回は、子供の意志を強くする方法について書いてみたい。
目次
意志力とは
まず、意志力とは何か?だが、
意志力とは、 「哲学で、個人あるいは集団の行動を意識的に決定する能力。広義には、欲望も含まれる。倫理学的には、道徳的判断の主体あるいは原因となるものをいい、衝動と対立する。」とあり、つまり主体性の根幹をなす重要な能力と言えます。
出典:強い意志が育つ学童期
意志力とは、一義的には、「行動を意識的に決定する能力」のことである。
興味深いのは、「衝動と対立する」という点だ。衝動を「感情的な意思決定」とすると、わかりやすいかもしれない。「感情的な意思決定」を避けるために必要になるのが、「意志の力」ということだ。※感情的な意思決定をすると、ロクな結果にならないことが多い。
意志力は消耗する
わたしたちが持つ意志力は、消耗する。
夫婦喧嘩がおこる原因も意志力が関係している場合がある。仕事で意志力を使い果たしていると、職場で消耗しきってしまうため、そのしわ寄せが家庭にきてしまう。
出典:意志力を、鍛えよ! ―今、気になるビジネス書の要約
何かで意志の力を使うと、ほかのことで意志の力を十分使えなくなる、ということだ。
仕事と家庭は別物で、仕事で意志力を使ったからといって、家庭のことで意志力を使えなくなるのはおかしい…と思うかもしれないが、そういう話ではないそうだ。
ひとつのタンクの中に意志力が充填されており、そのタンクに仕事や家庭など、いくつかの蛇口がついていて、蛇口がひねられる度に、意志力が消費される、というイメージになる。
※○○用の意志力、と用意されているわけではない。
意志力が強ければ成功する
意志力が強ければ、成功する可能性が高くなる。
社会人においては意志力が強い人間は、感情や衝動では物事を考えず、目的を達成する為に論理的な方法を取り、協調性に富んだ人物が多く、すなわち優れたリーダーシップを発揮するのです。
出典:強い意志が育つ学童期
意志力が強ければ、物事に対し、冷静&客観的な態度で対峙できる。その結果、「感情的な意思決定」をせず、「合理的な意思決定」をするため、道を誤って迷走する…ということがないのだ。
意志力が強いことと協調性に富むことは、一見矛盾しているようにも感じるが、実は矛盾していない。たとえば、意志力の弱い人は、その時々の自分の感情に流されて、自分本位の行動を取ってしまったり、相手を嫌う、ということがあるが、意志力の強い人にはそれがない。
だから、意志力の強い人は、協調性があるのだ。
マシュマロ実験からわかること
有名な「マシュマロ実験」というものがある。
この実験は、子ども期の自制心と、将来の社会的な成果の関連性を調査した実験だ。スタンフォード大学で、当時4歳の子供たちを対象に行われた。
子供たちに、将来の利益(2個目のマシュマロ)を約束したとき、現在の欲望(目の前のマシュマロ)を我慢できるのか?という実験だ。※我慢する時間は15分。
すぐ手を出してマシュマロを食べた子供は少なかったが、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった。
出典:マシュマロ実験 - Wikipedia
将来の利益のために、現在の欲望を我慢できた子供は、1/3だったそうだ。
意志の強い子どもは成功する
興味深いのは、その後の追跡調査だ。※2度行われている。
追跡調査で分かったことは、
1)我慢できた子供の方が、学業における成績が良い。
2)4歳時点で観測された、将来の利益のために現在の欲望を我慢できる、という傾向は長く続く。※少なくとも、45歳時点まで続くことが確認されている。
4歳時点で示す行動で、ある程度将来がわかる、ということになる。
被験者の大脳を撮影した結果、両グループには、集中力に関係するとされる腹側線条体と前頭前皮質の活発度において、重要な差異が認められた。
出典:マシュマロ実験 - Wikipedia
この原因は、脳の作りの差ではないか、とされている。脳の前頭前野には、思考&意思決定する、という機能のほかにも、行動を抑制したり、欲求を自制する、という機能がある。したがって、前頭前野が上手く機能する作りになっているのかどうかが、ポイントになりそうだ。
子供の意志を強くする方法 - サマリー
まとめ
今回は、子供の意志を強くする方法というテーマで書いてみた。
意志力とは、「行動を意識的に決定する能力」のことだ。衝動と対立するため、意志が強ければ感情に流されず、合理的な判断や意思決定ができる、ということになる。
※その結果、社会的に成功しやすくなる。
子供に対するマシュマロ実験からも、意志力が強ければ、成功する可能性が高くなる、ということがわかると思う。子供の意志を強くする具体的な方法については、次回書きたいと思う。
次回の記事:「子供の意志を強くする方法#2」
今回の記事:「子供の意志を強くする方法」