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有名人の子育てから学ぶ

カルロス・ゴーン氏のことは、ほとんどの人が知っているはずだ。

フランスの自動車会社ルノーの取締役会長兼CEO(PDG)にして、日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)。またルノーと日産は、2010以降全世界自動車市場の約10%のシェアを保っているが、ゴーンは両社の株式の相互保有を含む戦略的パートナーシップを統括する「ルノー・日産アライアンス」の社長兼最高経営責任者(CEO)をも兼務する。
出典:ウィキペディア

※かなりの有名人であることは、間違いない。

 

 

 

以前、慣れない日本語だが、それでも明快なスピーチをするゴーン氏の姿を見て、「この人はちょっと違うな…」と感じたことを覚えている。そのときは、シンプルで力強いメッセージを、あえて日本語で伝えようとしていた(このことには、何らかの特別な意図があったはずだ)。

ゴーン氏には、4人の子供がいる。※4人全員が、スタンフォード大学で学んでいる。

今回は、ゴーン氏の子育てから学んでみたい。

目次

仕事を家に持ち込まない

有名人の子育てから学ぶ…というイメージ

ゴーン氏は、仕事を家に持ち込まない主義だそうだ。

家では、仕事関係の書類を読んだり、メールのチェックすらしなかったそうだ。

ゴーン氏は、子育ては「母親だけでできるもの」だとは思っていない。自分が家にいるときは、できるだけのことをしようとしたそうだ。自身が子供だったころ、父親と一緒に過ごし遊ぶことがとても楽しかったことをよく覚えており、同様の思いを子供たちにさせようとしていた。

ゴーン氏は実践していた

子供たちの立場に立って、親子関係を考えていたのだ。

そして、子供たちには、愛情と関心を注ぐことが大切だ、としている。

親の都合だけではなく、子供目線で物事を考えることが大事だ、子供には愛情と関心を注ぐことが大切だ、ということは、たいていの親は理解している。問題は、それを実践できるかどうかだ

※ゴーン氏は、(考え方として)実行すること、に重きを置いている。

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子供たちの判断力を養う基礎を作る

子育ての仕事のひとつは、子供たちの判断力を養うことだ、としている。

そのためには、成長期にある子供たちに、愛情と思いやりを持つことが必要であり、「安定感」や家庭と学校の「一貫性」を確保する必要がある、と考えていたようだ。

ゴーン家の一貫性については、こんなエピソードがある。

親の態度がぶれるのは、最もいけないことです。あとは親も正しい目的のために努力しているのだと、子どもたちが理解することが大事です。最近、16歳の次女が学校の先生に「あなたみたいな家庭に育つと甘やかされることも多いのに、なぜ常にベストを尽くして勉強できるの?」と聞かれたことがありました。娘は「自分の本分をやらなければ、本当にやりたいことはできないと母に教えられてきたから」と答えたそうで、この言葉は最高にうれしかったですね(笑)。
出典:楽天ブックス

もちろん、「自分の本分をやらなければ、本当にやりたいことはできない」というゴーン家の教えは、学校の教えと相反するものではない。これは、家庭と学校の「一貫性」が確保されていることを示す例だろう。

家庭と学校の「一貫性」が崩れると、「ダブルバインド」のような状態になり、子供の精神状態が不安定になると思う。この不安定さを抱えてしまうと、そこに子供の大切なリソースが奪われてしまう。本来集中すべきところに、集中できなくなってしまうのだ。

なので、「一貫性」を重視した方がいい、ということだろう。

信念を共有する

ゴーン氏は、思考力を養うことと信念の共有が大事だ、としている。

※信念が物事の判断基準になる。

その基準は、たとえば死や病気、成功、厄介事といった、人生に影響を与える状況がもたらす感情を子どもたちと共有することで培うことができる。子どもたちとこうした感情を共有することで、彼らが状況を解釈し、状況に対処するのを助けることができる。
出典:「ルネッサンス」 p.247 

ゴーン氏は、人生に影響を与える(厄介ごとも含む)「ライフイベント」がもたらす感情を、子供たちと共有することで、子供たちの判断基準が確立する、と述べている。親子で感情を共有することで、(子供が行う)状況の解釈や対処についてヘルプできる、ということだ。

※子育てにおいて、子供と感情を共有しているだろうか…。

子供の自律性を尊重する

子供は親の言いなりにはならない…

この点を肝に銘じて振舞うべきだ、としている。

子どもたちに自分と同じ信念や価値観を期待することはできない。むしろ、子どもたちが次第に自分自身の人生を求め、探求していくように導くべきである。旅立つときに、子どもたちが優れた判断力を発揮できるかどうかは、ある意味育て方の問題である
出典:「ルネッサンス」 p.248

子供たちは、親の所有物ではなく、未熟でもひとりの人間だ。

なので、自分と同じ信念や価値観を持つことを期待しない、ということだ。また、親には子供が人生を歩み出すときのための準備をしてやる責任がある、としている。そのときに、子供が優れた判断力を備え、それを発揮できるかどうかは、親の育て方の問題だ、としている。

そのために、子供たちに対し親密に接する一方で、ある程度の距離を置き、双方の接し方のバランスに気をつけたそうだ。子供たちの裁量に任せる領域を与えながら、アドバイスや指導を行ったそうだ。※これは、子供たちの自律性をしっかり尊重する、ということになる。

※子供たちの生活に、細かく口を出すようなことはしなかったそうだ。

学校教育に関すること

子供の学校を選ぶときの条件は、3つあるそうだ。

1)子供たちに安定感を与える学校であること
2)教育水準が高いこと
3)道徳教育と価値観を重視する学校であること

教師に対しては、人として優れていることを求めている。

教師というものは、学識だけではなく人としても優れていなければならない。子どもたちが正規の授業で習うことは、教育全体から言えばごくわずかな部分にすぎない。教師が衝突や失敗にどのように対処するか、ふとした間違いと何度も繰り返す間違いをどのように区別するかは、責任のある大人になるうえでの教えになるのである。
出典:「ルネッサンス」 p.250

教師に対して、「人としても優れていなければならない」とすることには、なるほどと思った。

子供というのは、大人の振る舞いをよくみている。身近にロールモデルとして教師の存在があれば、子供にとって良い「学び」になるのだ。※教師をみることが、必要になりそうだ。

子供たちに望むこと

ゴーン氏が子供たちに望むことは、以下のとおりだ。

私たちはたまたま君たちの親になったが、できる限り君たちを導き、助けようとしている。君たちはいつの日か独り立ちする。私たちは、その日のために自分を伸ばしていってほしいと思っている。
出典:「ルネッサンス」 p.250

唯一失望するとしたら、能力を十分発揮しなかったときだ、としている。

ときどき、能力があるのに、努力を怠り能力を十分発揮しない、という人がいる。他人でも、「残念だな…」と思うのだから、それがわが子であれば、とても残念に思うだろう。

サポートするから自分を伸ばしてほしい、には、同意しかない。

まとめ

今回は、カルロス・ゴーンという有名人から子育てを学んだ。

印象的な言葉や内容をまとめると、「仕事を家庭に持ち込まず、自分が家にいるときは、子供たちのためにできるだけのことをしようとした」、「子供に対し、一貫性のある態度を保つ」、「子供の思考力を養うことと、信念・感情の共有が大事」、「子供の判断力の優劣は、親の育て方の問題である」、「子供の自律性を尊重する」、「学校選びを重視する」ということだ。

納得できる部分は、自分の子育てに取り入れればいいだろう。

今回の記事:「有名人の子育てから学ぶ」