子供が失敗を嫌がる・怖がる…それではまずい
子供が失敗を嫌がる・怖がる…ということがないだろうか。
まだものごとに対する評価がよくわからない幼児期であれば、失敗に平然としているかもしれないが(笑)、子供は成長につれて失敗を嫌がったり、怖がるようになる傾向があると思う。
何もしないとそうなる可能性があるが、それではまずい。
今回は、子供と失敗について書いてみたい。
目次
- 目次
- 失敗を防ぐ親がいる
- 失敗を防ぎたい気持ちはわかるが…
- 失敗は必要なこと
- 挑戦しなければ失敗しない
- 失敗の対処の仕方で差がつく
- 失敗するチャンスを奪うことになる
- 子供を信じていないのでは…
- 子供が失敗を怖がるようになる
- 子供が挫折に弱くなる
- まとめ
失敗を防ぐ親がいる
子供の失敗を、先回りして防ぐ親がいる。
たとえば、毎日、子供の宿題や持ち物のチェックを親がする、ということだ。そうすれば、たしかに、「宿題をするのを忘れた」、「○○を持っていくのを忘れた…」という失敗はなくなるだろう。
失敗を防ぎたい気持ちはわかるが…
子供の失敗を防ぎたい…という気持ちはよくわかる。
子供が人前で恥をかいたり、困っている様子を見たくない、想像したくない…という気持ちはよくわかるのだが、そのことと、子供の失敗を先回りして防ぐことがいいことなのかは、まったく別の話になる。※また、何でもそうだが、やりすぎはプラスではなくマイナスになる。
たしかに、親が子供の失敗を防ごうとすると、子供が失敗する確率は低くなる。
しかし、それはいいことなのだろうか?
失敗は必要なこと
そもそも失敗は、好ましくないことなのだろうか。
失敗にもいろいろある。上で述べたように、「宿題をするのを忘れた」、「○○を持っていくのを忘れた…」など、単に不注意から生じる失敗があれば、チャレンジした結果生じる失敗もある。
単に不注意から生じる失敗でも、それを経験することは必要なことだ。
「不注意から生じる失敗」はかならずある。これは、子供に限ることではなく、大人になってからもある。人である限り、その種の失敗はつきものだ。だが、失敗の確率を減らすことはできる。
失敗の経験(痛い目にあった経験)から、そうすることができるようになるのだ。「チャレンジした結果生じる失敗」というのは、成功するために必要な失敗だ。
挑戦しなければ失敗しない
この種の失敗をしない人がいるが…
失敗をしない人というのは、とんでもなく優秀な人ではなく、単にチャレンジをしていない人だ。リスクをとらず、自分が「できると確信していること」だけをやるという人だ。
出典:失敗した方がいい理由
それは、チャレンジをしないからそうなるだけだ。
はたしてこれが、いいことなのだろうか?
失敗の対処の仕方で差がつく
失敗の対処の仕方で差がつく、ということがある。
失敗をすることがあると思う。
失敗をして、「恥ずかしい」と思ったり、落ち込んで引きずることもあるだろう。
仕事や私生活において、誰しも失敗はするが、失敗の受け止め方や対処の仕方は、それぞれ微妙に違うと思う。そして、その違いの優劣が、人に差をつける変数になると思う。
出典:失敗から学ぶ大切さ
たとえば、失敗をして萎縮してしまうと、失敗が怖くなってしまう。
その結果、石橋を叩きすぎる…ということになる。
臆病者は、勇者が一度死ぬところを、千回死ぬ。「もう一度調べれば、何か新しいことが出てくると信ずべき理由はあるか」を問わなければならない。もし答えがノーであれば、再度調べようとしてはならない。
出典:P.ドラッカー
その結果、大変な時間とリソースの無駄が、生じるようになってしまうのだ。
また、失敗して自信を失うと…
チャレンジ精神を失ってしまうことになる。自信を失って、チャレンジしなくなると、成功からはどんどん遠ざかる…ということになる。先に述べたように、「チャレンジした結果生じる失敗」というのは、成功するために必要な失敗だからだ。※失敗は、成功への道のりで生じるものだ。
失敗の正しい対処の仕方というものは、失敗して学ぶほかない。
失敗するチャンスを奪うことになる
親が子供の失敗を防ぐことは、親が子供から失敗するチャンスを奪うことでもある。
先に述べたように、失敗が必要なことで、失敗の対処の仕方で差がついてしまうのであれば、「親が子供から失敗するチャンスを奪う」ということは、好ましいことではない。子供のために…と思って行うことだが、裏目に出てしまうのだ。※子供の生きる力を奪うこと、とする見方もある。
失敗するということも、子供にとっては大きな経験のひとつなのだ。子供は失敗することで、経験値を上げる。なので、親はこの機会を不当に奪わないようにしたい。失敗したときは、失敗とは何かや、失敗の対処の仕方を教えるチャンスにもなる。子供に上手く失敗をさせることが大事だ。
子供を信じていないのでは…
子育てにおいては、子供を信じる、ということがとても大事だ。
子供を信じて温かく見守る…というのが、親のあるべき姿だとされる。
だが親が、子供の失敗を先回りして防ぐ、という行為は、このことに逆行しかねないことだ。※子供を信じていないから、子供の領分に親が出張る、ということになる。
この(悪くいえば)子供を信じない、という行為は、子供に行動言語として、伝わる可能性がある。子供が自分は親から信用されていない…と感じる可能性がある、ということだ。
であれば、子供の失敗を先回りして防ぐことはNGだ、ということになる。
※親は子供を信じたい。一番に信じる存在でありたい。
子供が失敗を怖がるようになる
失敗は不快なものだ。失敗すると嫌な気分になる。
経験を積んだ大人にとっても不快なものなのだから、未熟な子供にとっては、さらに不快なものである可能性が高い。不快なものは避けたい…という心理は、誰にでもあるものだ。
※不測の失敗というのは、大人でも怖いことだ。
親が子供の失敗を先回りして防いでいると、子供は「失敗してはいけないのではないか…」、「だから、親がこんなに一生懸命になっているのだ…」と思うようになる可能性がある。
ますます、子供が失敗を怖がるようになるかも…ということだ。
子供が挫折に弱くなる
子供が失敗をせずに育つと、挫折に弱くなる。
子育てに熱心な親御さんほど「失敗経験をさせない親」になりがちだとしています。「こうすればうまくいくよ」「この通りにしないと失敗するよ」とレールを敷かれた子供は、失敗経験ができません。そして、親の力が及ばなくなった受験や就職活動、仕事で失敗をしてしまうと、立ち直ることができなくなってしまいます。
出典:アドラー心理学から学ぶ子育て術!子供の心を育む方法とは?
挫折というのは、程度の差はあれ、多くの人が直面することだ。
※理不尽なことはあるものだ。
このとき、心が折れて、後々まで引きずってしまい人生に悪影響が出る…ということでは困る。自分に合わないから…ということで、キャリアダウンの転職を繰り返すようでは困るのだ。
※他責思考になる可能性がある。
長期的にみて、何が子供のためになるのか…この点をよく考える必要がありそうだ。
※ただし、致命的な失敗についてはこの限りではない。
まとめ
今回は、子供と失敗について書いてみた。
親は子供の失敗を防ごうとする。その気持ちはよくわかる。
大きな失敗であれば、親が事前に防ぐことは必要だろう。たとえば、子供がそこそこの怪我をすることがわかっているのに、危険を除去しない…というのは違うだろう。
だが、小さな失敗については、どんどん経験させることが必要だ。
特に、挑戦に伴う失敗は必要なもので、経験させた方がいい。成功するためには、挑戦するマインド、試行錯誤するマインド、失敗を活かすマインド、が必要になるためだ。
今回の記事:「子供が失敗を嫌がる・怖がる」