天才児と呼ばれる子供の特徴
天才児と呼ばれる子供がいる。
自分の子供の頃の同級生でも知り合いの子供でもいいが、優れた才能に触れ「ちょっと普通の子供とは違うな」、「ある種天才的だな…」と感じる(感じた)子供がいないだろうか。
学問分野であれば、「この子は普段どんな風に勉強しているのだろうか…」と興味をそそられたことがないだろうか。今回は、天才児と呼ばれる子供の特徴について書いてみたい。
※ハーバードで発達心理学の博士号を取得したE.ウィナー教授の見解にしたがう。
目次
学習意欲がある
天才児と呼ばれる子供には、学習意欲がある。
この意欲は、外部からの刺激ではなく、内面からの欲求である。
※本人の内面からの欲求であることが多い。
アインシュタインは、「私には特別な才能はありません。激しいほどの好奇心があるだけなのです」と述べている。才能云々については置いておくとしても、自身に「激しい好奇心があった」ということは認めている。このことは、「得意とする分野のことを、すべて知りたいという内側からの欲求があった」と言い換えることができるのではないだろうか。
出典:才能がある子供の特徴
勉強しなければいけないから勉強する、ということではなく、勉強したいから勉強するのだ。
なぜ、そんな風になるのだろうか(笑)。
その答えはシンプルで、勉強することが楽しいからだ。この点は、天才であろうが、凡人であろうが変わらない。人は、楽しいことは自ら進んでやるし、そうでないことはやらないのだ。
好奇心が強く勉強することが楽しい
ではなぜ、勉強することが楽しいのだろうか。
この点についてはよくわからないが、凡人でもこのゲームを極めたいとか、このスポーツを極めたいと思うことがあるだろう。
そして、そのゲームやスポーツを行うときは、楽しさを感じているはずだ。
時間を忘れて没頭する…ということもあるはずだ。勉強の場合も、興味の矢印が勉強に向いているだけで、それと同じことだろう。
ただし、好奇心が人一倍強い、ということはあるだろう。
努力は報われると考える
天才児と呼ばれる子供は、「努力は報われる」と信じている。
※普通の子供よりも、そう考える子供の割合が多い。
天才児と呼ばれるほどの子供であれば、「努力よりも才能だ」と考えても不思議はない。「自分の成績がいいのは、才能によるものだ…」と考えそうなものだが、そうではない。
一方で、成績が良くない子供は、自分の成績の悪さを「外的な要因のため」としたがる。「自分の努力が足りないため、成績が悪いのだ…」とはしない。これは、自己防衛のためだろう。
ではなぜ、天才児と呼ばれる子供は、「努力は報われる」と感じるのだろうか。それは、彼(女)らが努力をしているためだ。努力をする ⇒ 成果が出る、という因果関係を理解しているためだ。努力をする ⇒ 成果が出る、という体験を何度もしているため、そう考えるようになるのだ。
楽しいから努力する
天才児と呼ばれる子供は、楽しいから努力する。
自分がこれと決めた分野の勉強は、楽しんで行う。普通の人がむずかしいな…と感じるようなことでも、主体的に楽しんで取り組めるのだ。そんなとき、彼らは「フロー状態」に入る。
あなたも、フロー状態を経験したことがあると思う。自分の実力相応の課題に取り組み、その課題を乗り越えつつあるときに、人はフロー状態に入る。なので、普通の人でも経験できることだ。
ただ、天才児と呼ばれる子供は、その状態に入りやすいようだ。
フロー状態に入りやすい人には特徴がある。それは、1)好奇心が強い、2)忍耐力がある、3)経験に対し受容的、4)感覚情報への同調性が強い、ということだそうだ。
天才児は、これらの特徴を持っている、ということだ。
勉強に時間を費やす
天才児と呼ばれる子供は、勉強に多大な時間を費やす。
天才児には「勉強しなくてもできる子供」というイメージがあるが、それは間違いだ。
ある天才児は、起きている時間の13%を勉強に費やしたそうだ。1日に起きている時間を14時間とすると、2時間弱となる。15時間起きているとすれば、約2時間だ。
家庭学習のみで毎日約2時間勉強する、ということだから、イメージ以上に努力しているのだろうと思う(質が伴っていることにも注目)。また、学習時間以外の時間の使い方も上手いようだ。
その際は、自分の才能分野に関連のある活動をするそうだ。このあたりは、起業家が四六時中ビジネスのことを考えている…ということと、似ているような気がする。
※シームレスで、境目がないのだ。
セルフイメージが高い
天才児と呼ばれる子供は、セルフイメージが高い。
ある研究では彼(女)らは、自分がどのような人間かはっきり自覚しており、将来どんな職業につきたいのか…について、強く意識していたそうだ。
大人でも、「自分がどのような人間か自覚すること」は、そう簡単なことではない。
また、それを生かす仕事は何か…と考えることも思うほど簡単ではない。天才児は有り体に言えば、「しっかりしている」ということのようだ。
自分の能力に対する信用や肯定的な気持ちは、良い成績と結びつく。これらの気持ちがないのに、良い成績がとれる…ということはないのだ。成績が良くない子供のセルフイメージは低い。
また、スポーツに対するセルフイメージは高いけれど、学問に対するセルフイメージは低い、ということもある。その場合は、スポーツはできるけれど、勉強はできない…ということになる。
成果の積み重ねでセルフイメージが高くなる
ではどうすれば、子供のセルフイメージが高くなるのだろうか。
おそらく、成果を積み重ねることにより、徐々にセルフイメージが高くなるのだろう。成果を積み重ねるためには、適切な目標を立てることと、その目標を達成するための日々の努力が必要だ。
なので、普通の子供でも、このことさえできれば、いい線まで行くことができる。
天才児が普通の子供と違う点は、適切な目標を立てることと、その目標を達成するための日々の努力が容易にできてしまう、という点だ。誰から強制されるわけでもなく、自らできてしまう。
これが、天才たる所以なのだろう。
まとめ
今回は、天才児と呼ばれる子供の特徴について書いた。
今回の記事で書いたのは、1)学習意欲がある、2)セルフイメージが高い、の2点だ。
天才児は、「努力をしなくても良い成績をとれる」と思っているのであれば、それは間違いだ。彼(女)たちは、「努力は報われる」と信じながら、日々(質が高くシームレスな)努力を重ねているのだ。※天才児は、強い好奇心を持つ努力の天才、としていいだろう。
この努力の差が、普通の子供との成績の差になるのだ。
今回の記事:「天才児と呼ばれる子供の特徴」