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天才児と呼ばれる子供の特徴#2

天才児と呼ばれる子供がいる。

あなたは、天才児の特徴は何だと思うだろうか。「さほど努力しなくても、勉強がよくできる子供」、「一を聞いて十を知る子供」というイメージがないだろうか。

だが、これらは必ずしも正確な見方だとは言えない。

前回、天才児の特徴として述べたのは、1)努力をする、2)セルフイメージが高い、ということだった。今回は、天才児と呼ばれる子供の特徴の続きを書いてみたい。

前回の記事:「天才児と呼ばれる子供の特徴

※ハーバードで発達心理学の博士号を取得したE.ウィナー教授の見解にしたがう。

目次

独自の考え方を持つ

天才型の子供

天才児と呼ばれる子供は、独自の考え方を持つようだ。

独自の考えをもち、何でも自分で決め、自分の意志を通し、支配的で、世間の規範にしたがうつもりがない(と両親と教師の両方の評価から判断される)。
出典:才能を開花させる子供たち p.248

天才児には、いわゆる「おりこうさん」とは、真逆のタイプが多いそうだ。

そのため、周囲との摩擦が避けられない。ある天才児は、相手が教師であっても、教師が間違っていると感じれば、間違いを正そうとするし、議論や批判も躊躇なく行ったそうだ。

なので天才児は、クラスの問題児だ、とされることもあるようだ。

三木谷さんの子供時代のエピソード

この話を聞いてイメージしたのが、楽天を創業した三木谷浩史さんのことだ。三木谷さんは、授業中にフラフラ歩き回る子供だったようだ。そのため、廊下に立たされることも多かったそうだ。

三木谷さんは、ADHDの傾向があるかもしれないと認識しつつ、「頭の構造が、他の人とちょっと違う」と自己分析しているようだ。※三木谷さんは、興味のあることに対しては、マシンガンのように話し、ないことに対しては、露骨に退屈そうな顔をするそうだ。

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天才型の棋士がいる

もうひとり、天才タイプの人を紹介しよう。

将棋のプロ棋士である糸谷哲郎さんだ。彼はプロ入り後、大阪大学に入学し卒業後、大坂大学の大学院に進学している。現役のプロ棋士が、このようなキャリアを選ぶというのはとても珍しい。

※現役のプロ棋士が、国立大学に進学したのは初めてのことだった。

この人の言動がまた、独特なのだ。

奨励会に在籍していた時期、幹事だった畠山鎮から「奨励会員の中でこんなに叱った子はいない」と述懐するくらい、厳しく礼儀作法を教わった。
出典:ウィキペディア

礼儀作法も独特だったようだが…

肝心の将棋でも、角を成る場所を間違えたり、相手の駒を取ったあと自分の駒を違うマス目においたり、取った駒を相手の駒台に置く、という信じられないようなミスまでしている。

聞き手の理解を超えたあいさつ

また、「将棋は斜陽産業」と正直に発言して物議をかもしたり、

将棋は哲学では神、世界、真理、存在とある程度同一視される、というと怒られるかもしれませんが。一つの世界そのものが神の代わりである。ニーチェは『神は死んだ』と申しましたが、そういった意味での存在、真理、ただ一つのくつがえしがたいものを神などと隠喩する風習があります。そういう点で将棋はある程度真理を目指す、神の存在ですね。神のメタファーになると思いますが、どこか真理を目指しながら、しかし、神にたどり着かない。ただ、対局者同士は神を目指すという行為ですね。
出典:対局者あいさつ

聞いている人がポカーンとなるような、あいさつをすることもある。

このように、天才型の人は、独自の考えをもち、何でも自分で決め、自分の意志を通し、支配的で、世間の規範にしたがうつもりがない、ということなのだ。なので、世間の常識とはズレが生じ、「とびきり優秀だけれど、変わった人だな…」という評価を受けることになる。

固定観念を受け入れない

天才児とされる子供は、固定観念を受け入れない。これは、天才児が常識的な価値観を認めていないせいだ。

なので、将棋の糸谷さんの例でいえば、プロ棋士になってから大学、大学院に進むというこれまでの棋士が誰もやらなかったようなコースを選ぶ、ということになるのだろう。

※糸谷さんはプロ棋士としても優秀で、若くしてタイトルを取っている。

固定観念を受け入れない、ということは、「らしくない」につながる。

天才児とされる女児は、女の子らしくないようだ。女の子が持つ特徴ではなく、男の子が持つ「支配傾向」や「達成への意欲」が強いそうだ。

逆に、天才児とされる男児は、「感受性」や「美意識」などの女性的な特性を持つそうだ。天才児は、型どおりの子供、ということではないのだ。※固定観念から解き放たれている。

道徳的推論のレベルが高い

天才児とされる子供は、道徳的推論のレベルが高い。

そう言われても、「道徳的推論って何のこと?」と思うだろう。

まず、幼い子供は「罰を与えられるかどうか」という基準で物事を考える。その後、「社会が何を正しい行動と考えるか」という基準で物事を考える。大人でも、ここまでで止まる人が多い。

だが天才児は、そこからさらに進み、「普遍的な倫理・原理」から物事を考えようとする。なので、社会がどのように構築されているかではなく、「されるべきか」という点から考える。

普通の大人でも、「普遍的な倫理・原理」から物事を考えようとするまでの推論レベルを持っている人は、1割に満たないそうだ。だが、天才児の場合は、その割合が多いようだ。

道徳的な行動がとれるとは限らない

ただし、道徳的推論のレベルが高くても、道徳的な行動がとれるとは限らない。

倫理的な話題に関心がある、ということは、高い知能と関連があるが、道徳的な行動をとる・とらないは、生まれ育つ家庭から受ける影響が大きいようだ。なので、天才児が人一倍やさしいとか親切で思いやりがある、ということではないようだ。※そのようなエビデンスはない。

不安や悲観につながることがある

知能の高い子供は、社会問題や道徳的な問題に関心を持つ。

そして、その関心と結論を導き出す推論能力の高さが結びついて、不安や悲観につながることがあるそうだ。つまり、知能の高い子供は、社会問題について深く悩む傾向があるのだ

※問題について考えるときは、楽観的ではなく、悲観的な発想になるようだ。糸谷さんが、「将棋は斜陽産業」と正直に発言した、と書いたが、こういうことだったのかもしれない。

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まとめ

今回は、天才児と呼ばれる子供の特徴の続きを書いた。

今回の記事で書いたのは、1)独自の考え方を持つ、2) 道徳的推論のレベルが高い、の2点だ。

天才型の人は、独自の考えをもち、何でも自分で決め、自分の意志を通し、支配的で、世間の規範にしたがうつもりがない。少なくとも、まわりの大人たちからはそう評価される、ということだ。

天才型の人は、平たく言えば、「頑固で言うことを聞かず、常識には無頓着…」というイメージになるが、そうなのだろうか(笑)。また、彼らには(道徳的推論のレベルが高いため)思い悩む傾向がある。

ただ、そういう要素があるから、独自の道を歩み成果を出すのだろう。「子供が頑固で言うことを聞かず困っている…」と悩む親御さんにとっては、福音かもしれない。

今回の記事:「天才児と呼ばれる子供の特徴#2」