後悔しないための子育てブログ

後から「しまった!」のない育児をしたい

物で釣る子育てはうまくいかない

前回、「物で釣る子育てはいいことなのか」という記事を書いた。

子供をご褒美で釣って勉強させよう…という考えは、普通に浮かぶことだろうと思う。

主体的にそうしなくても、子供が何かを欲しいと言ったときに、「テストで良い成績をとれば買ってあげる」とすることはあるだろう。そんなとき親は、「これで、やる気を出して勉強してくれるかな」という期待を抱くかもしれない。はたして、物で釣って成果は出るのだろうか。

今回は、物で釣る子育てはむずかしい、という話をしたい。

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目次

子供をご褒美で勉強させる問題点

前回の記事で述べたことを整理してみよう。

1)ご褒美をエサにすると後戻りできなくなる、2)ご褒美に対する慣れとエスカレートの問題がある、3)効果がある、とされる方法でも実践がむずかしい、4)それ自体が興味深くおもしろい活動に対し異筋からのアプローチになる(筋違いのアプローチになる)、の4つだ。

1番目と2番目については、直感的にわかるだろう。これまでご褒美があったのに、ご褒美がしょぼくなったりなくなってしまうと、やる気は低下する。また、子供に限らず人は、どうしても慣れてしまうので、ご褒美に慣れてしまう。

そして、(そのうち)ご褒美をもらえることは当たり前だ…という感覚になり、そういう感覚になればなるほど、やる気アップとは無関係になる。なので、やる気を保つためにご褒美を使うのであれば、ご褒美のレベルを上げていく…ということが必要になってしまう。

物で釣ることは「異筋のアプローチ」になる

物で釣るイメージ

3番目については、今回述べることだ。

4番目については、それ自体が興味深くおもしろい活動に対し、異筋からのアプローチをしてやる気を高めることは、ちょっと違うのではないか…ということだ。

そのかわりに、本筋のアプローチをすればいい。たとえば読書であれば、親が読書をして家庭に読書の文化を創ったり、折に触れて(子供に対し)本の素晴らしさを説いたり、「この本を読んでみれば…」と勧めてみればいい、とした。勉強であれば、子供が自然に学問に触れることのできる場所(科学館など)に連れて行く、社会見学をする…などの方法があるだろう。

物で釣って勉強させるのはむずかしい

ご褒美で釣って勉強させることは、簡単なことではない。

前回、「インプットにご褒美を与えた方が、(結果にご褒美を与えたときよりも)成績が高くなる」という話をした。つまり、「本を読む」などのインプットに対しご褒美を与えた方が、「テストで良い成績を取ったらご褒美をあげる」ということに勝る、ということだ。

ただし、この方法でもむずかしさは残るとした。

すり替わりが起こる

物で釣ろうとすると、「すり替わり」が起こりやすくなるのだ。

たとえば小学校で、「1年で1番たくさん本を読んだ子供にご褒美をあげる」とする。そうすると、子供は「1番多く本を借りれば、ご褒美をゲットできる」ということに気が付く。

A君がとった行動は、「たくさん本を読む」ではなく、「たくさん本を借りる」になってしまった。本を読むということよりも、「本を借りる」ということが目的になってしまったのだ。
出典:物で釣る子育てはいいことなのか

その結果、本来の狙いから逸れてしまうことになるのだ。

このケースの場合は、「1年で1番たくさん本を読んだ子にご褒美をあげる」が、「1年で1番たくさん本を借り出した子にご褒美が与えられる」にすり替わってしまった。

単純に「本を読む」というインプットも同様だ。「本を読めばご褒美をあげる」が、「本を開いて時間を潰せばご褒美をもらえる」に、すり替わる可能性があるのだ。

Bちゃんの話

Bちゃんは、父親から「この週末、いい子にしているとご褒美をあげる」と言われた。

Bちゃんは喜び、Bちゃんなりにいい子にした。感情を抑えて、父親からいい子に見えるように振舞った。具体的には、おもちゃで遊んだら、そのあと片づけをしたり、癇癪を起さない、ぐずらない、大声を出さない、泣きわめかない…ということだろうか。

だがあるタイミングで、Bちゃんは泣き出して取り乱したそうだ。

そして、我慢して抑えていたものがすべて出てしまった。つまり、「この週末、いい子にしているとご褒美をあげる」という動機づけが機能しなかった…ということになる。

※途中まではそれなりに機能したが、無理があった。

ご褒美はなぜむずかしいのか

ここまでの話で、なぜ物で釣ることがむずかしいのか…ということがわかる。

まず、なぜ物で釣ることがダメかと言うと、たとえば、テストで良い点を取ればご褒美をもらえることはわかるが、そのために具体的に何をすればいいのか…ということがわからないのだ。

わからなければ、わかることをするしかない。結果、子供はカンニング(チート)して点数を上げよう…と思うかもしれない。人は、わかりやすく手っ取り早い手段をとりがちなのだ。

Bちゃんの話の場合も、週末いい子にしているとご褒美をもらえることはわかるが、「いい子にする」ということが曖昧すぎて、どうすればいいのかわからなかったのだ。そのため、全方位的にいい子になろうとしてストレスをため込み、あることをきっかけに爆発…ということになった。

やるべきことがわからなければ機能しない

双方とも、やるべきことがあいまいだから機能しないのだ。

インプットにご褒美を設定する場合は、あいまいさは解消できる。だが、上で述べたように「すり替え」の問題が発生する。したがって、子供がどのような行動をすればいいのかということを(自分で)はっきり理解し、すり替えが起こらないような状態を作れば、ご褒美が機能する可能性がある

たとえば読書であれば、本を読んだあと、子供に内容を説明してもらう…ということだ。読書だけではなく、そこまでセットにすれば、物で釣ることが機能するかもしれない。

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まとめ

今回は、物で釣る子育てはむずかしい…というテーマで書いた。

子供をご褒美で勉強させるのは、簡単ではないな…というのが正直な印象だ。

それでも、ご褒美を使って子供に勉強させたい…ということであれば、インプットにご褒美を与えるようにした方がいい。そして、子供がどのような行動をすればいいのか…ということを、はっきり子供が理解できる形で示すべきだ。さらに、子供が抜け道を利用しないように、抜け道を塞ぐ仕組みも取り入れる必要がある。そこまでやれば、ご褒美が上手く機能するかもしれない。

今回の記事:「物で釣る子育てはうまくいかない」

参考文献: 人を伸ばす力