子供にお小遣いをあげる・あげない…お小遣いの意味・あげ方
子供にお小遣いをあげているだろうか。
お小遣い制にしている、という家庭があれば、お小遣い制はとらず、必要なモノがあれば都度買い与えている、という家庭もあるだろう。どちらがいいのか…という問題もあるし、お小遣い制にするのであれば、どんなお小遣いのあげ方がいいのか…という問題もある。
今回は、子供とお小遣いについて書いてみたい。
目次
- 目次
- お小遣いのメリット
- お金の使い方を学べる
- 失敗のチャンスを与えることになる
- お小遣いのNG
- テストで良い点をとったら…もNG
- 親は口を出さない
- 口を出すのであれば…
- いつからお小遣いを上げればいい?
- 小学生のお小遣いの相場
- 最頻値と中央値を見る
- まとめ
お小遣いのメリット
子供にお小遣いをあげるメリットから考えてみよう。
ひとつは、どのぐらいのお金を出せば、どのぐらいのモノが買える…という感覚を養えることだろう。この感覚というのは、自分でモノを買わないと持つことができない。
たとえば大人でも、普段スーパーで買い物をしなければ、この野菜はいくらで、このフルーツはいくら…という感覚を持てないはずだ。※世間知らずにならないためにも、大事なことだ。
お金の使い方を学べる
次に、お金の使い方を学べる…ということがある。
お小遣い制にすると、「これがほしいから買ってくれ」ということがなくなる(都度買いはなくすべきだろう)。
そうすると、何にどうお金を使えばいいのか…ということを自分の頭で考えるようになる。我慢してお金をためて買う…という手段も身につけるはずだ。※主体性が身につく、ということになる。
失敗のチャンスを与えることになる
お小遣いをあげると、失敗のチャンスを与えることにもなる。
基本的に、お小遣いは(子供の裁量で)自由に使っていい…とすべきだろう。
そうすると、子供は買い物に失敗することがある。感情の赴くままに欲しいモノを買ってしまって、あとで後悔したり、必要なほかのモノが買えなくなってしまう…という失敗を経験することができるのだ。
子供は何度も同じ失敗をすると思うが、そのうち同じような失敗から学び、以前より買い物が上手になる…という結果になるだろう。※失敗をすることは、成長するために必要なことなのだ。
お小遣いのNG
お小遣いのあげ方には、NGがある。
ひとつは、家事の報酬としてお小遣いをあげる…というものだ。
労働の対価としてお金をもらうことを学べるのでいいのでは…という意見があるが、そのことをメリットとしてカウントしても、デメリットが勝るのでやめた方がいいだろう。
子供は家事を手伝うことで、家族はそれぞれの責任を担うことで成り立ち、お互いに(無償で)助け合う必要がある…ということを学ぶ。
もしここに報酬という概念をねじ込むと、この学びが成立しなくなってしまうのだ。
すなわち、お小遣いをもらうために家事を手伝うのであって、お小遣いをもらえないのであれば家事を手伝う必要はない…となる。
テストで良い点をとったら…もNG
テストで良い点をとったら(臨時の)お小遣いをあげる…というのもNGだ。
このことについては、以前の記事でも書いた。
そのとき述べたのは、1)ご褒美をエサにすると後戻りできなくなる、2)ご褒美に対する慣れとエスカレートの問題がある、3)効果がある、とされる方法でも実践がむずかしい、4)それ自体が興味深くおもしろい活動に対し異筋からのアプローチになる(筋違いのアプローチになる)、の4つだ。
子供が結果を求めて、グレーゾーンに踏み込む…という悪影響もある(具体的には、カンニングなどをする…ということだ)。
親は口を出さない
親は子供のお小遣いの使い方に、口を出さないようにしたい。
これには、1)お金の使用&管理について主体性を持たす、2)子供の自律性を尊重する、3)失敗や試行錯誤のチャンスを与える、という意味がある。
子供のお金の使い方をみていると、「無駄遣いが多いな」、「またこんなものを買って…」、「これを買うなら別のモノの方がいい」と感じることがあるだろう。
だが、そこはある程度我慢したり寛容になることが大事だ。
先に述べた1~3の意味を思い出すことだ。
口を出すのであれば…
だが、100%口を出すな…というわけではない。
たとえば、無駄遣いがあれば、「買ってみてどうだった?」と本人の気付きをうながすような質問をした方がいいだろう。
また、子供がお金の使い方に困っているようであれば、「必要なもの、欲しいものを全部書き出してみたら?」とか、「優先順位をつけてみたら?」とアドバイスすればいいと思う。
ただし無理強いはせず、アドバスを受け入れるかどうかは、子供に任せればいい。
いつからお小遣いを上げればいい?
子供にいつからお小遣いを上げればいいのか…という問題がある。
おおまかな目安は、ひとりで買い物ができるようになったら…ということだ。
ひとりで買い物ができるようになれば、自分のお金で自分の欲しいものを買いたい…というニーズが生まれると思う。
なんでもそうだが、渇いているときにその機会を提供すれば、効率よく吸収することができる。
そのころには、お金の価値もある程度理解し、計算や管理も最低限はできるようになっているだろう。小学校の中~高学年ぐらいだろうか。※お小遣い開始の明確なラインはない。
小学生のお小遣いの相場
小学生のお小遣いの相場は、どんなものだろうか。
「知るぽると(金融広報中央委員会)」という主体が調査した結果がある。月に1回お小遣いをもらう小学生の場合は、以下のようになる。※2015 年 12 月~2016 年 3 月に行った調査。
【 低学年 】
最頻値:500円
最も多い金額帯:500-700未満(22.6%)
平均値:1004円
中央値:500円
【 中学年 】
最頻値:500円
最も多い金額帯:500-700未満(25.8%)
平均値:864円
中央値:500円
【 高学年 】
最頻値:500円
最も多い金額帯:500-700未満(37.9%)
平均値:1085円
中央値:1000円
最頻値と中央値を見る
平均値だけを見て評価するのは間違いだ。
たとえば、平均値だけをみると、中学年より低学年の方が多くなっている。なので、「最頻値」と「中央値」を合わせてみてほしい。
低学年から高学年まで最頻値が500円で変わらない…というところをみると、小学生の間は月に500円(ワンコイン)と決めている家庭も結構あるのだろう。
このお小遣いの相場から、中学年までは月に500円、高学年になると少し上乗せする…というモデルを考えることができそうだ。
まとめ
今回は、子供とお小遣いについて書いてみた。
お小遣い制にすることは、いいことだろうと思う。
どのぐらいのお金を出せば、どのぐらいのモノが買える…という感覚を養える、お金の使い方を学べる、お金(管理や使い方など)で失敗する機会を得ることができる…というメリットがあるためだ。
だが、お小遣いのあげ方を間違うと、デメリットがメリットを上回る…というケースも出てくるだろう。なので、正しくお小遣いをあげる、余計な口出しをしない…ということが大事になる。
今回の記事:「子供にお小遣いをあげる・あげない…お小遣いの意味・あげ方」