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ピア効果を子育てに使う方法5つ

ピア効果というものがある。

自分のまわりにいる仲間が、自分の行動に与える影響を指す。

あなたにも、あの人たちと仕事をしていたときは、自分のパフォーマンスが上がった…という経験がないだろうか。まわりの力を借りて、成長することができた…という経験があると思う。もちろん、その逆のケースもあるだろう。それはピア効果によるものだ。

今回は、ピア効果を子育てに使う方法について書いてみたい。

目次

ピア効果とは…

ピア効果

まずは、ピア効果のおさらいをしておきたい。

自分を中心に考えると、ピア効果とは、自分のまわりにいるクラスメートなどの仲間(ピア)が、自分の行動(ひいては成果)に与える影響を指す。

たとえば、クラスメートが自分に対し良い影響を与えるのであれば、「プラスのピア効果がある」とできるし、逆に悪い影響を与えるのであれば、「マイナスのピア効果がある」とすることができる。ピア効果には双方向性があり、(今考えたように)自分が受ける影響もピア効果によるものだし、自分が仲間に対し与える影響もそうである。

優れた行動をする友達を作る

優れた行動・模範的な行動をする子を(自分の子供の)友達にした方がいい。

具体的には、きちんとあいさつができるとか、人の話を聴く、人を嫌わない、いじめをしない、人にやさしく接する、規則やマナーを守る…という行動がとれる子供のことだ。

成績が良く学力の高い子供でも、人を自分から嫌ったり、陰湿ないじめをしたり…という子供がいるので、注意したい。

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悪い行動は移りやすい

なぜ、友達の行動に注目するかというと、それに影響を受けやすいためだ。

友達の学力が高くても、それが自分の学力に好影響を及ぼす…というケースは限定されるが、行動については移りやすいのだ。※特に、悪い行動は移りやすくなる。

大人でもそういうことがある。ちょっとしたマナー違反をする友達がまわりにいれば、最初は「あれ?」と思うが、徐々にマナー違反という感覚が弱くなり、自分も…というケースがある。

同調してしまう

同調してしまうので、行動が移ってしまうのだ。

このことは、脳の「ミラーニューロン」という神経細胞から説明できそうだ。

他人の行動を目にすると、ミラーニューロンが反応し、あたかも自分が行動しているかのように働く。

赤の他人の行動であれば、(ミラーニューロンが反応しても)批判的に見ることもできるのだろうが、友達の場合はそうもいかないのだろう。

仮にマナー違反のような振る舞いであっても、(友達の場合は)繰り返し目にすると、実際の同調行動につながる可能性がある。※「まぁいいか…」となりやすい。

自分の子供の学力を上げる

自分の子供の学力を上げれば、(学力面で)ピア効果を使える可能性が上がる。

まず、「類は友を呼ぶ」で、学力の低い子供は学力の低い子供同士で、学力の高い子供は、学力の高い子供同士で友達になる…というケースが多いだろう。

なので、学力の高い子供を友達にしたいと思えば、自分の子供の学力を上げる必要がある(大人の世界も似たようなものだ)。

次に、自分の子供の学力が中位以下の場合、仮に学力の高い子供と友達になれたとしても、自分の子供の学力が上がることはない…と考えた方がいい。

前回の記事でも書いたが、「彼と自分は違う…」と落ち込んで自己肯定感を傷つけたり、傷ついた自尊心の埋め合わせをするために、好ましくない補償行動をとるようになるためだ。なので、学力を上げることが先決になる。

人的に優れた教師に学ばせる

人的に優れた教師に学ばせることも、広い意味ではピア効果になるだろう。

教師というものは、学識だけではなく人としても優れていなければならない。子どもたちが正規の授業で習うことは、教育全体から言えばごくわずかな部分にすぎない。教師が衝突や失敗にどのように対処するか、ふとした間違いと何度も繰り返す間違いをどのように区別するかは、責任のある大人になるうえでの教えになるのである。
出典:「ルネッサンス」 p.250

これは、カルロス・ゴーン氏の言葉だが、「人としても優れていなければならない」という部分に注目してほしい。知識や教えるスキルがどうこうよりも、まずは人として優れているかどうかの方が大事なのだ。

わたしが小学生のときのある担任が、今から思えば人として問題のある人物で(子供に対する愛情や思いやりを欠く人物で)、本当に嫌な思いをしたことがある。

教えるスキルが低い教師の場合は、その教師に対する不満はあっても、心底嫌な思いをする…ということはない。だが、人として問題のある人物の場合はそれがあるのだ。

※後に尾を引く悪い影響を受ける。

上の子供をロールモデルに育てる

子供が複数いる場合は、上の子供をロールモデルに育てるといい。

下の子供は上の子供のマネをよくする。遊びにおける行動もそうだが、勉強におけるそれもそうだ。上の子が勉強しだすと、下の子もそれを真似て勉強しだす…ということがあるだろう。

上で述べた、「同調する」ということだ。なので、上の子をロールモデルにすることができれば、下の子は行動面で良い影響を受けることになる。先に、優れた行動・模範的な行動をする子を(自分の子供の)友達にした方がいい…と述べたが、(ある意味)同じことを家庭内で行うのだ。

親がロールモデルになる

親が直接的にできることは、自分がロールモデルになることだ。

具体的には、自分からあいさつをする、人の話を聴く、人を嫌わない、人や物事に興味・関心を持つ、人にやさしく接する、規則やマナーを守る…などに加えて、正しい目的のために努力することだ。

ゴーン氏の言葉を借りると、「親も正しい目的のために努力しているのだと、子どもたちが理解することが大事」ということになる。どうすればそうできるのかは、一度自分で考えてみてほしい。

本を読んだり勉強する姿を見せる

このブログでは、よく親が本を読んだり勉強する姿を子供に見せればいい…と書いている。

もちろん中身のないポーズではなく、正しい目的のために努力するプロセスとして、見せるのだ(あなたにも、果たしたい目的があるはずだ)。

そうすれば、読書や勉強する文化が家庭に根付くとともに、「親も正しい目的のために努力している」と子供が理解し、主体的に自分もやる…と思うかもしれない。

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ピア効果を子育てに使う - サマリー

まとめ

今回は、ピア効果を子育てに使う方法について書いてみた。

今回の記事で書いたのは、1)優れた行動をする友達を作る、2)自分の子供の学力を上げる、3)人的に優れた教師に学ばせる、4)上の子供をロールモデルに育てる、5)親がロールモデルになる、の5つだ。

自分の力が及ばないので、どうにもならない…ということもあるかもしれないが、最後の「親がロールモデルになる」については、自分のことなので実現可能だろう。

今回の記事:「ピア効果を子育てに使う方法5つ」