大器晩成の偉人から学べること
大器晩成と言われる偉人たちがいる。
誰かにあなたは大器晩成だから…と言われると、「現状では評価されないのか…」と思ってしまうが(笑)、そう落ち込むことはないだろう。正しい努力を積み重ねていれば、そのうち結果はついてくるはずだ。
それはともかく、大器晩成と言われる偉人たちは、どのような特徴を持つ人たちなのだろうか。彼らから学べることや、何か子育てに応用できることがあるかもしれない。
今回は、大器晩成の偉人から学べることについて書いてみたい。
目次
大器晩成の偉人がいる
大器晩成とは、偉大な人物は遅れて頭角を現す…という意味だ。
大器晩成と言われる偉人たちがいることは確かだ。
ダーウィン、ブルックナー、カーネル・サンダース、ウォルト・ディズニー、レイ・クロック、日本では、伊能忠敬、徳川家康、真田幸村あたりもそうかもしれない。
偉大な人物は遅れて頭角を現す…と書いたが、この言葉の裏を返せば、幼少期はさほどパッとしなかった、特に目立つ才能があるようには見えなかった…ということだ。
ダーウィンの場合
チャールズ・ダーウィンの幼少期を見てみよう。
ダーウィンが8歳のころには、植物や貝殻などの収集を行っていたようだ。また、科学実験に没頭していた兄の手伝いをすることもあったようだ。
ダーウィンが16歳のころには、エディンバラ大学で学んでいる。だが、アカデミックな内容の講義になじめず、大学を中退している。
18歳のときに、(父親の意向で)牧師になるためにケンブリッジ大学クライスト・カレッジに入学する。ここでも、必修ではない科目(博物学など)に没頭する。
そして、22歳のとき、同大学を卒業する。
成績は中の上程度だったようだ(普通の学生といった感じだ)。本人の大学教育に対する評価は辛辣なもので、「学問的には得るものはなにもなかった」と述べている。
※1809年2月生
レイ・クロックの場合
レイ・クロックと聞いても、ピンとこない人が多いかもしれない。
だが彼こそが、現在のマクドナルドを作り上げた偉大なビジネスマンだ。
レイ・クロックは15歳のとき、第一次世界大戦に参加しようと思い立ち、衛生隊に所属している。終戦後は、ピアノの演奏などで生計を立て、20歳のときに紙コップを売る職につく。その後、その仕事を通じて目にしたミキサーに目を付け、ミキサーの販売に力を注ぐようになる。
※セールスマンとして、優秀だったようだ。
そのクロックに運命の出会いがあったのは、38歳の時だ。最初のマクドナルドの店を開いたマクドナルド兄弟と出会った彼は、彼らのビジネスは金の鉱脈だ…と確信する。そして、自分をマクドナルド兄弟に売り込む。彼が最初のフランチャイズ店を出店したのは、52歳の時だった。
※1902年10月生
凡庸な子供ではない
違うタイプの二人の大器晩成型の偉人を紹介した。
大器晩成型の人たちは、(タイプの違いに関係なく)幼少期は凡庸な子供に見えるが、実はそうではない。
アインシュタインは、「私には特別な才能はありません。激しいほどの好奇心があるだけなのです」と述べているが、この「好奇心」や物事に対する「関心」が人一倍強いのだ。
そして、(時間はかかるが)自分がすべきことを見い出すと、後はすごい勢いで前進を始める。大器晩成型の人たちの場合は、そのタイミングが大学以降になることが多いようだ。
天才型ではない
大器晩成型の偉人は、いわゆる天才型ではない。
もちろん彼らは高い創造性を持つ天才なのだが、私たちが想像するような典型的な天才ではない。
というのは彼らが、「著しく発達が早い」という天才型の人たちが持つ特徴を満たしていないためだ。若年で偉大な業績を残す…ということではないのだ。ただし、「独習する」、「習得意欲がとても強い」という特徴は満たしている。また、道を定めた後の歩みは、かなり速いと思う。
偉大な業績を残すためには…
偉大な業績を残すためには、ある程度以上の能力が必要だ。
このことは間違いないが、能力の高さは十分条件ではないし、能力の高さに業績が比例するのか…といえばそうではない。
知能指数が数十のオーダーで違っていても、(ある値以上であれば)業績とは関係ない…という研究もある。つまり、ある程度能力があれば、考え方や人間性、モチベーションなどの方が重要になるのだ(天才でもその分野に興味を失えば、ただの人になる)。
関心や好奇心を持つ
物事や出来事に対する関心や好奇心を持った方がいい。
もちろん、人に対する関心も持った方がいいだろう(笑)。そうすることが、行動につながる。
すぐれた成果を出そうと思えば、行動しなければ始まらない。行動を重ねれば失敗も増えるが、そのうち「自分の道」を探し当てることができるだろう。そうすれば、持ち前の能力と正しい考え方や優れた人間性、モチベーションの高さなどが追い風になり、どんどん前に進めるのだ。
子育てでは…
この話を子育てにどう取り入れればいいかだが…
まずは、子どもの好奇心をつぶさないことだろう。
もともと子供には好奇心がある。幼い子供でも、何かに関心を持ち自分から行動する。こうやったらどうなるだろうか…と、親からすれば迷惑なことをする場合もあるだろう(笑)。この子供が本来持つ好奇心を育てることが大事だ。
具体的には、子供の質問に対し、面倒だと思わずに丁寧に相手をする。「後にして」、「そんなことは知らない」、「まだ知らなくていい」、という対応ではなく、子供の興味や好奇心と向き合って、丁寧に対応すべきだ(エジソンの母親は、賢明な人でそうしたそうだ)。
勉強はおもしろい
また、勉強はおもしろい…というメッセージを伝えたい。
本来、自分の知らないことを知る、ということは、刺激的でおもしろいことのはずだ。だが、勉強をしなければいけない時期というのは、勉強を苦役のように感じ、なかなかそう思うことができない(笑)。
そこで、親のサポートが必要になる。たとえば、算数が得意で国語が苦手…という子供には、国語の問題も数学的なアプローチで解くことができるよ…ということを教える。
そうすれば、苦手な国語も「意外とおもしろいね」となるだろう。
まとめ
今回は、大器晩成の偉人から学べることについて書いてみた。
大器晩成型の偉人は、天才型ではない。
いわゆる天才ではないのだが、「独習する」、「習得意欲がとても強い」という天才が持つ特徴を備える。なので、道を定めた後の歩みはかなり速い。
彼らに学び親ができることは、子どもの好奇心をつぶさないようにすることだ。
具体的には、子供の質問に対し、面倒だと思わずに丁寧に相手をする。違う角度から物事をみさせることで、子供の好奇心を育てる…ということも可能だ。
そうすることで、勉強はおもしろい、と感じるようになるかもしれない。
今回の記事:「大器晩成の偉人から学べること」