勉強では復習が大事|復習の効果的な方法とは
勉強では、復習が大事だとされる。
子供のころ、「復習をしっかりやりなさい」と言われた人も多いだろう。
わたしも教師からそう言われたことがあるが、なぜ復習が大事なのか…まで、真に踏み込んだ説明はなかったように思う。もしかすると、わたしが聞く耳を持っていなかったのかもしれない。
それはともかく、親や教師が復習の大切さを理解して、子供に伝えているかどうか…ということは、極めて大事なことだと思うのだ。
今回は、勉強における復習について書いてみたい。
目次
- 目次
- わからないところを理解する
- 勉強は記憶が必要になる
- 復習をしないと忘れる
- 記憶には短期記憶と長期記憶がある
- 復習により長期記憶にする
- 復習の理想的なモデルは…
- 分散学習がいい
- テストから逆算する方法もある
- まとめ
わからないところを理解する
復習には、わからないところを理解する…という意味がある。
授業を受けていると、先生の話を聴いている時間帯とそうでない時間帯がある。自分が理解できる話については聴くが、そうでない話はスルーする…ということは普通にあることだ。また、自分の興味に応じて、聴く聴かないを決めることもある。聴かなければ、当然わからなくなってしまう。
復習をすることで明らかになる
復習することで、自分が聴かなかった話やわからなかった話が、はじめて明らかになる。
授業を受ければ勉強は終わり、宿題をすれば勉強は終わり、と思う子供がいるが、実はそうではない。授業でわからなかった点を明らかにし、わかるようになることで、とりあえずの勉強が終わるのだ。
※授業でわかったと思っても、問題が解けないこともある。
勉強は記憶が必要になる
勉強では、「記憶すること」が必要になる。
勉強の本筋としては、「自分なりに考えて理解すること」が大事だ。
そこを飛ばして、力ずくの丸暗記でなんとかしよう(試験でいい点を取ろう)というのは邪道だ。これでは、ほとんど勉強にならないし、(結果を安易に求めているだけで)勉強の楽しさを知る、ということもないだろう。
だが、「記憶すること」は必要だ。地名や人名、言葉や物の名称、英単語や英熟語にしても、記憶しなければ始まらない。算数や数学においても、計算方法、解法、概念などを(考えて理解しながらだが)記憶する、という作業が必要になる。ときには、丸暗記が必要なこともあるだろう。
※効率よく記憶できた方が、はるかに有利なのだ。
復習をしないと忘れる
当たり前のことだが、復習をしないと学んだことを忘れる。
せっかく習ったことや身につけた…と思ったことでも、忘れてしまうのだ。
以前この問題を解くことができたのに、今やると解けない…ということがある。解けたときのシチュエーションは覚えているのだが、肝心の問題を解くことができないのだ。こんなことでは、いい結果が出ない。
自分が忘れることを知っている
成績のいい子と悪い子の違いのひとつは、ここにある。
成績のいい子は、自分が忘れることを知っているので、スケジュールを立てて復習する。
成績の悪い子は、自分が忘れることをよく知らないか軽視している。その結果、効率的な復習をすることができず、良い成績をとることができない。
※頭の良し悪しではなく、上手に復習できるかどうかが問題だ。
記憶には短期記憶と長期記憶がある
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があることをご存じだろうか。
短期記憶の場合は、数秒~数分程度しか保存されないが、長期記憶の場合は、それよりも長く保存され、一生涯保持されることもある。
授業中先生の話がわかったと思ったけれど、家に戻って自分で問題を解こうとしても解けない…ということがある。この現象は、(脳が)先生の話を短期記憶として処理し、ある一定の時間が経過したので、その記憶を捨ててしまった…ということだろう。
※短期記憶をどう長期記憶にするのかが問題になる。
復習により長期記憶にする
復習により、短期記憶を長期記憶にすることができる。
短期記憶を長期記憶にするかどうかの判断は、脳の「海馬」が行う。
海馬に同じ情報を何度も送れば、そのうち海馬が「保存すべき記憶だ」と解釈し、その短期記憶を長期記憶にする…というメカニズムがある。
たとえば、繰り返しテレビのCMを見ていると、覚えるつもりがなくても自然に覚えてしまうことがある。繰り返しみることが復習になり、自然に長期記憶になるのだ。
つまり、復習により短期記憶を長期記憶にすればいいのだ。
復習の理想的なモデルは…
では、どのようなスケジュールで復習すればいいのだろうか。
その日のうちに復習をした方がいい、という主張がある。学習後、数時間たつと、結構忘れてしまうから(1時間後に60%弱忘れてしまう)というのがその理由だが、実践的にはどうなのかな…と思う。
同じことを同じ日に繰り返すのは退屈なことだし、予習をしている場合は、今日はもうやりたくない…という気分になる(笑)。なので、無理して同じ日にする必要はないだろう。
やるとすれば、わからない点の抽出だ(翌日までの睡眠中に脳が整理してくれる)。
分散学習がいい
時間的な間隔を置いて学習することを「分散学習」という。
復習にはこの「分散学習」がいいようだ。これは学習後、忘れかけたタイミングで復習を行う、ということだ。具体的には(たとえば)、翌日に1回目の復習、その1週間後に2回目の復習、その2週間後に3回目の復習というスケジュールで行う。翌日が嫌であれば、数日後でもいいだろう。
復習と復習の間の期間を、一定ではなく長くしていく…というところがポイントだ。
テストから逆算する方法もある
テストの日から逆算する方法もあるようだ。
「勉強から復習まで」と、「復習からテストまで」の間隔が「1:5」の場合、最も得点が高くなりました。つまり、テストが15日後にある場合、勉強から3日後に復習するのが最も効率的ということです
出典:その日に復習をするのは非効率だった!? 「実験心理学」による効率的学習法
実験では、当日復習した子どもより、数日後復習した子どもの方が、テストの得点が高くなることがわかっているそうだ。この「1:5」という比率にしたがうと、テストが1ヶ月後に迫っている場合は、勉強から5日後に1回目の復習をすればいい…ということになりそうだ。
※この話は奥が深い。考えを進めてみると、おもしろいと思う。
まとめ
今回は、勉強における復習について書いてみた。
復習は、1)わからないところを理解する、2)短期記憶を長期記憶にする、という意味で重要だ。
わたしは必ずしも学習した当日に復習しなくてもいいと考えるが、そうするのであれば、わからない点の抽出程度に留めておけばいいだろう。復習は(時間的な間隔を設ける)分散学習がいい。その際は、復習と復習の間の期間を、一定ではなく長くしていく…という方法をとればいい。
今回の記事:「勉強では復習が大事|復習の効果的な方法とは」