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子供の自律性を育てた方がいい

子供の自律性を育てることについて、考えているだろうか。

子供の自律性を育てるということは、子育ての中でもかなり大事なことだ。

自律性というのは、放っておいても身体のように成長する、というものではないので厄介だ。現に、自律性が育たず低いまま大人になってしまった…という人は、少なからずいるだろう。

このタイプの人は、積極性や社会性に欠けていることがあるため、「使えない奴だ」とレッテルを貼られることもあるだろう。今回は、自律性について書いてみたい。

目次

自律性とは

自律とは、「自らを律する」ということだ。

外部からコントロールされることなく、自分自身で立てた規範にしたがい行動できる…ということであれば、自律性がある、ということになる。規範には、道徳性、倫理性、合理性が伴うことが望ましいが、大人にもむずかしいことだ(苦笑)。規範は、進化し更新されていくものだ。

自律の反意語は他律だが、他律というのは、一般には「外部からコントロールされ、行動すること」を指す。だが、自らを律することなくしてしまう行動についても、他律とすることができる。あなたは、自律的な生き方と他律的な生き方のどちらを子供にさせたいと思うだろうか?

なぜ自律性が大事なのか

なぜ自律性が大事なのか、考えてみよう。

ひとつは、今述べたように、自律性が低ければ「外部からコントロールされる人」になってしまう、ということだ。いわゆる指示待ち人間、統制されないと何もできない人などがそれに当たる。つまり、自分から積極的に動くことのできない人であり、他者からの評価も低くなるのだ。

※自己評価も低くなり、自己肯定できなくなってしまう。

 

 

 

もうひとつは、自律性を欠くとトラブルを起こしやすくなる、ということだ。自分で判断や決断ができないので、なんでも人任せになってしまい、自ら問題の芽を摘むことができない…ということがある。また、自分を律することができなければ、感情まかせの行動になってしまったり、相手の立場から考えることができなかったり…で、人間関係において問題が生じやすくなるのだ。

※自律性と社会性には、相関がある(リンクしている)。

してはいけないこと

子供の自律性を育てる上で、してはいけないことがある。

まずは、統制的に接することだ。「統制的に接する」というのは、親子であれば子の上位者である親が子に対し、自分の意に沿うような行動をするよう圧力をかけ、半ば強制することだ。子供の行動にいちいち口を出し、細かく干渉する、というタイプの親は、統制的な親だとしていいだろう。

また、「待たない」というのもまずい。たとえば、子供が靴を履けずにぐずぐずしていると、イライラして「早くしなさい」と言ってみたり、(自分がやった方が早いので)手を出してしまう、ということがあると思う。こういう「待たない」という行為は、害になるのでやめた方がいいのだ。

※子供の自律性を育てるためには、親の忍耐が必要になる。

子供と信頼関係を築く

ここからは、子供の自律性を育てる方法について書く。

まずは、子供と信頼関係を築くことだ。そして、信頼関係にもとづく心理的な結びつき(愛着)を強くする。具体的には、子供が「いつも自分の味方でいてくれる」、「どんなときでも自分を守ってくれる」、「自分のことを大切な存在だと思ってくれる」と感じていれば、愛着があるとしていい。

 

 

 

気質的に敏感な子供の場合は、この信頼関係を上手く築けない、ということがある。下の子がひいきされている、というちょっとした感覚にも、敏感に反応してしまうためだ。子供が「自分は兄弟の中で、比較的尊重されていない」と感じていると、信頼関係を築くことがむずかしくなる。

※子供の気質に応じた対応が必要になる。

生活体験をさせる

子供の自律性を育てるためには、生活体験をさせるといい、という意見がある。

文部省(当時)が、生活・自然体験が豊富な子供の方が、道徳観・正義感が充実しており、生活体験が乏しい子供には、自律性の形成が十分ではない傾向がある、という内容の意見を発表したことがある。

道徳観・正義感というのは、規範につながることなので、自律性と関係していることはわかる。生活・自然体験が、道徳観・正義感を育むのであれば、自律性も育むことになるのだろう。

お手伝いはさせた方がいい。以前の記事で、ある会社が「使える人材」と「使えない人材」を分ける変数を探した結果、子供時の「お手伝いの経験の有無」が浮かび上がってきた、という話をしたことがある。お手伝い経験の差が自律性の差につながり、そうなった可能性はあるだろう。

支援する

子供の自律性を育てるためには、親側に支援する態度が必要だ。

親は子が「自分で考えて行動すること、自分の規範にしたがって行動すること」をいいことだと考え、機会がある度にその考えを言葉にして伝える。そして、実際に子供がそのような行動をしたときは、(仮にもっといい方法があるとわかっていても)その意思決定&行動を尊重することが必要だ。

勉強であれば、「勉強しなさい」と統制的に接するのではなく、勉強しやすい環境を整える。子供の質問には、時間をとって丁寧に答える。勉強についてヘルプが必要であれば、いつでも助けると伝える。勉強はあくまで子供の課題とし、そこに土足で踏み込まないようにすることが大事だ。

温かく見守る

親は子供の成長を温かく見守りたい。

子供が親を必要としているときには、そのニーズを満たすようにしたい。子供が話しかけてきたら、子供の目を見て話を聴く(話をしたいから話しかけてくる)。そのときは、ただ耳を傾けるだけではなく、(抽象的な話には)「たとえば?」で、具体的な話を引き出すなどの工夫をしたい。

 

 

 

子供が遊んでほしい、というときには、時間をとって一緒に遊ぶ。愛情を示すというのもいいことだ。海外であれば、ハグしたり愛情を言葉にして伝えるということがあるが、それらの行動がむずかしければ、子供と一緒に楽しく遊ぶ、笑顔をかわす、生き生きとした表情を見せる、でもいい。

まとめ

今回は、自律性について書いてみた。

今回の記事で書いた、子供の自律性を育てる方法とは、1)NG行動をとらない、2)子供と信頼関係を築く、3)生活体験をさせる、4)支援する、5)温かく見守る、の5つだ。

自律性の育っていない大人が少なからずいることを考えると、親サイドに「子供の自律性を育てる」という意識が必要になる。自律性を育成云々は、指摘されないと気付かないことかもしれない。すべてできている、という親はそういないと思うので、意識&努力が必要だろう。

 

 

 

今回の記事:「子供の自律性を育てた方がいい」