子供のコミュニケーション能力を高める方法6つ
子供のコミュニケーション能力について、考えることがあると思う。
コミュニケーション能力の重要性について、広く認知されるようになったためだ。ユニクロ創業者の柳井さんは、会議で発言しない人に対し「次回から出席しなくていい」と伝えたことがあるそうだ。
この考え方は、もはや当たり前になりつつある。私生活でもビジネスでも、話ができなければ、無用の長物として切り捨てられることがある、ということは、頭に入れておいた方がいいだろう。
今回は、子供のコミュニケーション能力を高める方法について書いてみたい。
目次
コミュ力の差が成否を…
コミュニケーション能力が大事な変数であることは、改めて言うまでもない。
かつては、コミュ力が低くても許される時代があったが、もはやそういう時代ではない。
たとえば、上でも書いたが、会社の会議で発言しない人は、「貢献しない人」と見なされ会議から排除される。会社の人事担当者は採用の際に、コミュニケーション能力をかなり重視する。
たとえ個人としての実力があっても、適切に報告、連絡できない、自分から人を助けない・人に助けを求められない、という人は採用されない。人と距離を置いて、自分から人を助けない・助けを求められない人を採用しても、組織としての生産性を上げることにつながらないためだ。
言葉が持つ力は大きい
言葉が持つ力は大きい。認識以上に大きいのかもしれない。
何気ない言葉ひとつで、相手を喜ばせたり、相手にやる気を与えたり、行動を促したりすることがあれば、逆に相手を悲しませたり、傷つけたり、やる気を奪ったり、萎縮させたり…ということもある。
なので、適切なコミュニケーションができる人は、人間関係において成功しやすく、そうでない人は、失敗しやすくなってしまうのだ。※コミュニケーション能力の差が成否を分けるのだ。
子供のコミュ力を高める
家庭内であいさつをする
家庭内でキチンとあいさつをする、ということは基本中の基本だ。
きちんとあいさつができるから、即、コミュニケーション能力が高い、ということにはならないが、あいさつができない子供(大人も同じ)は、コミュニケーション能力が低いとできる。
つまり、あいさつができることは、(コミュ力を有するための)必要条件なのだ。
ただし、子供が自分からあいさつをしないときは、それを強いるようなことはしない方がいいだろう。そんなときは、親の方からあいさつをし続ければいい。また、あいさつは大事なことだと説けばいい。そうすることで、そのうち自分からもあいさつをするようになるだろう。
粘り強くあいさつをする
あいさつは礼儀だからキチンとしなさい…から踏み込んで、あいさつは相手を「承認」する行為。あいさつをしないということは、相手を承認しないと言う意味。それは傲慢な行為で非礼に当たる。その非礼な行為は、後にあなたに不利益として返ってくる…とまで教えたい。
— 子育てまとめbot (@4152sodate) 2018年5月31日
親はやるべきことをやり、子供が自律的にあいさつをはじめるのを待つ。
あいさつを返さない子供に対し、あいさつを続けるというのは、ある意味苦行かもしれない。気持ちが折れそうになることもあると思うが、そこは我慢して粘り強くあいさつを続けたい。
子供に厳しくしすぎない
親は子供に対し、厳しくしすぎてはいけない。
前回の記事で、「親が厳しく子供が素直であれば、その子供は伸びない」という話を紹介した。このことは、成績だけではなく、コミュニケーション能力についても言えることだ。
この場合、子供は親の価値をそのまま取り入れるが、自分で消化することなくその価値に縛られる、という状態に陥る。言い換えると、偽りの自分を演じることに勤しむ、という状態になるのだ。
そうなれば、柔軟性を失い問題に対する思考が浅くなる。一方で、自分のパフォーマンスが低いことは自覚できるので、コミュニケーションをとること自体が嫌になってくるのだ。
※親が厳しすぎると、子が萎縮するということもある。
子供の話をキチンと聞く
親は、子供の話をキチンと聞きたい。
そうすることで、子供のアウトプット(話すこと)の機会を増やしたり、心地よいものにすることができるためだ。子供のコミュニケーション能力を高めようと思えば、子供が話す機会を増やさなければいけない。
また、子供が話をしたとき「心地いい」という環境を作る必要がある。
傾聴テクニックを使う
あなたも、聞く姿勢や聞く耳を持たない人に、話をしようとは思わないはずだ。
なので、子供が話しかけてきたら、そちらの方に(顔だけではなく)身体全体を向ける。目を合わせる、相槌を打つ、肯定&共感する、話の腰を折らない、などの傾聴技術を用いて話を聞けばいいだろう。
※子供のアウトプットの機会を潰さないようにしたい。
親がはなし方を工夫する
親が子供に話すときは、話し方を工夫したい。
子供の理解度に応じて話す、というのが一般的な話し方だが、大人が普通に使う言葉を混ぜてもいい。大人が普通に使うカタカナ語などを混ぜてもいい。そうすると、「その言葉は何?」という話になって、子供が新しく言葉を覚えるきっかけになる。
接続詞を使う
また、意識的に接続詞を使えばいい。
子供がまとまりのない話をしているときは、「つまり、~ということ?」とまとめてみる(「つまり?」と、本人にまとめを促してもいい)。抽象的な話をしているときは、「たとえば?」と具体的な話をするように促してみる。話題を変えるときは、「ところで~」と接続詞を使ってみる。
親が接続詞を使っていれば、子供も真似して使うようになる。
自己肯定感を傷つけない
親が子供の自己肯定感を傷つけてはいけない。
自己肯定感が弱くなると自信がなくなり、発言する勇気がなくなってしまうためだ。子供の言うことを否定する、批判する、(悪気なく)からかったりしても、自己肯定感を弱めることがある。
子供に対し、「お前はコミュニケーション能力が低いな」という親はいないと思うが、「何を言っているのかわからない」、「もっとちゃんと話せ」のようなことを言う親はいるかもしれない。
子供の欠点をつついてもいいことはない。
子供の欠点をつつけば、改善どころか、「とびひ」のように欠点が広がってしまう…ぐらいに考えておいた方がいいと思う。※子供が自己肯定感を無くすと、人とあまり話さなくなってしまう。
地域の活動に参加させる
地域の活動やワークショップなどに参加させればいい。
身近な子ども会のような活動でもいいだろう。それらの活動を通じ、よく知らない子供や年齢の違う子供、よく知らない大人とコミュニケーションをとる機会をもてるためだ。
コミュニケーションで発信する場合は、1)自分が理解していることを話す、2)相手に理解できるように伝える、ということが大事になるが、話す相手にバリエーションがあるため、これらのことを学ぶ良い機会になるはずだ。※他者認識をすすめる機会にもなるだろう。
子供のコミュ力を高める - サマリー
まとめ
今回は、子供のコミュニケーション能力を高める方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)家庭内であいさつをする、2)厳しくしすぎない、3)子供の話をキチンと聞く、4)話し方を工夫する、5)自己肯定感を傷つけない、6)地域の活動に参加させる、の6つだ。
端的に言えば、子供をダメにしない、コミュニケーションの機会を与える、コミュニケーションの質にも気を配る、ということだ。どれが欠けても子供のコミュ力が上がることはないが、子供をダメにしてしまうと、後でいくらフォローしても間に合わない。なので、子供をダメにしてはいけない。
※必要以上に厳しすぎたり、自己肯定感を傷つけたりしては取り返しがつかない。
今回の記事:「子供のコミュニケーション能力を高める方法6つ」