図鑑には効果がある|子供に図鑑を読ませた方がいい
子供に図鑑を与えているだろうか。
子供がいつでも図鑑を手にして見ることができる状態にあるだろうか。
家には1冊も図鑑がない、ということであれば問題だ。また、図鑑があっても本棚に収納されているだけで、読まれることがない…というのも問題だ。図鑑を見て育つことと学力の間には相関がある。図鑑を見ながら好奇心を育てた子供は、結果として学力も高くなる傾向にあるのだ。
今回は、子供に図鑑を読ませた方がいい、というテーマで書いてみたい。
目次
図鑑と成績には相関がある
図鑑を見ることと成績には、相関があるようだ。
ある専門家が、成績が伸びる子供は、幼いころから図鑑を見ていた、と述べている。
伸びる子供の家庭には、子供が幼い頃から図鑑があったそうだ。図鑑と学力を直接むすびつけるエビデンスは、見当たらないが、読み聞かせが算数の正答率にプラスの影響を与えるエビデンスならある。
※読み聞かせの効果≒図鑑を見る効果、としていいのではないだろうか。
図鑑を見る効果
図鑑を見ると、好奇心が刺激される。
アインシュタインが「自分には特別な才能はなく、激しい好奇心があるだけ」と述べているが、好奇心を持てるかどうか、というところが分水嶺になる。
好奇心を持てれば、「知りたい」という欲求が生じ、それを満たすために自分から学ぶ、ということになる。欲求を満たすことが脳に対する報酬になるため、自発的に学ぶことができるのだ。
※子供の好奇心を育てることが、本質になる。
また、図鑑を見ると、脳を刺激することができる。本を読むと脳の言語野(側頭葉など)が活性化する。図を見ると、言語野以外の部分も活性化する。図鑑には、文字と図(写真も含む)があるので、図鑑を見ることで、脳の「言語野+それ以外の部分」を活性化することができるのだ。
※図鑑には、(図のない)本にはない効果もある。
図鑑を見るだけでは不十分
だが、図鑑を見るだけでは十分ではないようだ。
単に図鑑を見せれば、子供が伸びて学力が高くなる、ということでもないそうだ。
子供のころ、家に図鑑があってよく見ていたけれど、自分はそれほど伸びなかった…という人もいるだろう。わたしも、そのひとりかもしれない(笑)。
図鑑を見ることで、好奇心を育てた子供が伸びるのだ。
なので、勉強に直接関係がなくても、何かの図鑑に夢中になっている…という子供は、伸びる可能性が高い。好奇心を育てることに成功しているためだ。
親は現実との橋渡しをする
親ができることは、図鑑を用意することと、図鑑の世界とリアルな世界の橋渡しをしてあげることだ。
たとえば、図鑑でみた花をリアルな世界で鑑賞できるようにする(その逆もあり)。花でなくても、昆虫や動物、乗り物でもいい(子供が興味を持つものがいいだろう)。
そうすれば、子供の頭の中で図鑑の世界とリアルな世界が結びつき、納得できたり、楽しくなったり、強く記憶に残ったり…ということになる。つまり、知ることが楽しくなるのだ。
※図鑑を用意して終わり、ではもったいない。
図鑑で将来が決まることも
図鑑を見たことで、将来が決まることもある。
私が水産学科に進学を決めたのは、「マンボウの昼寝」を自分で見てみたかったからである。小学生のときから、勉強は好きではなかったが、図鑑を見るのは好きだった。図鑑を眺めては、気に入った動物の絵を真似て描いていた。その中で、特に気に入っていたのが、マンボウである。図鑑には、「マンボウは、天気のいい日には海面近くで昼寝をしています」とあった。子供ながらに、「ほんまかいな!?」と突っ込みを入れ、以来、「マンボウの昼寝」を見てみたいと思うようになった。
出典:水産科学の分野で活躍する女性たち13
永田恵里奈さんという方が書いた文章だ。
永田さんは、「マンボウ」を見に行ける機会があるかもしれないと考え、農学部の水産学科へ進学した。大学卒業後は大学院へ進み、最終的には農学博士になっている。永田さんは、図鑑を見たことがきっかけで進路を決めたわけだが、そのことは永田さんにとっていいことだったのだろうと思う。
※このように、図鑑を見たことで将来が決まることもあるのだ。
図鑑を与えるのは早い方がいい
子供に図鑑を与えるのは、早い方がいいだろう。
よくできる子供は、本を読み始めるのも早い。知能指数が高ければ高いほど、本を読み始める時期が早くなるという傾向がある。なので、3~4歳の段階で、図鑑を与えてみればいいだろう。
早い段階で図鑑を与えれば、「この図鑑は嫌いだから読まない」という抵抗も減らすことができると思う。若い分、柔軟性があるということだろうか。せっかく図鑑を買ったのに、子供が全然読んでくれない…という状況は避けたいものだ(笑)。
※やはり、早期に手を打つことが大事なのだ。
子供に図鑑を読ませた方がいい - サマリー
まとめ
今回は、子供に図鑑を読ませた方がいい、というテーマで書いてみた。
図鑑を見せることは、読み聞かせをすることと同じく大事なことだ。
図鑑を見ると、脳の「言語野+それ以外の部分」を活性化することができる、ということがあるが、図鑑を見せることの本質は、好奇心を育てる、ということだ。
先に、アインシュタインのことを書いたが、R.P.ファインマンという著名な物理学者がいる。
ファインマンはノーベル賞も受賞しているのだが、「自分をどう思い出してほしいか」という問いに対し、「ノーベル賞受賞者などではなく、好奇心いっぱいの人間であったと」という主旨のことを述べている(ノーベル賞を受賞したことは、結果に過ぎない)。
つまり、好奇心を持つことが本質である、ということを述べているのだ。
今回の記事:「図鑑には効果がある|子供に図鑑を読ませた方がいい」