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子供の学力は両親の学歴と関係がある

両親の学歴で、子供の学力が決まるのだろうか。

親の学歴で自分の学力が決まる…と思えば、やる気が出なくなるだろう(笑)。

親の学歴が低ければ、自分は努力してもたかが知れている…と思うし、親の学歴が高ければ、たいして努力しなくてもいいだろう…と思い努力しない。いずれにしても、親の学歴で自分の学力が決まる…などとは思わない方がいいが、現実はどうなのだろうか。

今回は、両親の学歴と子供の学力について書いてみたい。

 

 

 

目次

母親の学歴と子供の勉強時間

親の学歴と子供の学力

両親の学歴と子供の勉強時間には相関がある。

まず、母親の学歴との関係からみていこう。

ある調査では、「高校」、「短大・専門学校」、「大学」と母親の学歴が上がるにつれて、子供の学習時間も上がることが確認されている。別の調査でも、母親の学歴が「高校」よりも「大学・大学院」の方が、子供の勉強時間が長くなることが確認されている。

最初の調査に重回帰分析をかけた結果、母親の学歴が有意に子供の勉強時間に影響を及ぼす、ということがわかっている。この調査では、「父親の職業」も説明変数として取り上げているが、父親の職業は有意水準に達していない。

※母親の学歴が、子供の勉強時間に有意に影響を及ぼす可能性がある。

父親の学歴と子供の勉強時間

では、父親の学歴と子供の勉強時間の関係はどうだろうか。

ある調査では、父親の学歴が「高校」よりも「大学・大学院」の方が、子供の勉強時間が長くなることが確認されている。子供が小学生のときよりも、中学生のときの方が勉強時間の差が顕著になるようだ

別の調査では、子供が小学生のときは、父親の学歴の影響が有意ではないが、中学生になると有意になる、という結果が出ている。この調査では、小学生にしろ中学生にしろ、母親の学歴の影響は有意ではない、という結果になっている。

※父親の学歴も、子供の勉強時間と関係がありそうだ(中学生がキーワード)。

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両親の学歴と子供の学力

母親の学歴と子供の学力の関係をみてみよう。

母親の学歴と子供の学力の間には相関がある。父親の職業や世帯収入よりも強い相関があり、母親の学歴は子供の学力に有意に影響を及ぼす。国語の学力について言えば、母親の学歴は学校外の教育支出よりやや影響度が小さくなるが、算数の学力について言えば、それよりも大きくなる。

父親の学歴と子供の学力の間にも相関があるが、母親の学歴と比べると相関が低い。父親の学歴は子供の学力に有意に影響を及ぼすが、母親の学歴と比べると、国語にしても算数にしても、影響度が小さくなる(男子中学生の場合は、父親の学歴の方が影響度が高くなる、という結果もある)。

※父親の学歴より母親の学歴の方が、影響度が高いようだ。

なぜ母親の学歴が影響するのか

なぜ母親の学歴が、子供の学力に影響するのだろうか。

そのヒントは、母親の子供に対する行動にある。

学歴の高い母親は、学歴の低い母親よりも「読み聞かせをする」、「博物館などに連れて行く」、「朝食を食べさせる」、「本にふれる環境を作る」、「ゲームで遊ぶ時間を限定する」、「ニュースなどについて子供と話す」という行動をよくとる傾向にあるのだ。

 

 

 

父親が子供の教育に関与する割合は、以前より増えていると思うが、子供の生活を管理したり、子供とのコミュニケーションの量が多いのは、やはり母親の方だろう。したがって、父親よりも母親の方が、(特に小学生の間は)子供に対する影響力を強く持つのだろうと思う。

※あくまでも総論だが、母親の学歴で子供に対する行動が変わってくるようだ。

中学生では事情が変化する

だが、子供の年齢により、事情は変化するようだ。

先に、「子供が小学生のときは、父親の学歴の影響が有意ではないが、中学生になると有意になる」と書いた。このことは、別の調査でも裏付けられている。子供が小学生時分は、有意でなかった父親の学歴が、子供が中学生になると有意になるのだ。

父親の学歴の影響は、中学生あたりで顕在化するようだ

その時期にようやく、学歴の意味や学習の価値がわかったりするためだろうか。特に、男子の場合は、父親の学歴を目標にしたりするのかもしれない。

※中学生の男子には、父親の学歴も重要になる。

父親の学歴の方が影響する?

父親の学歴の方が、子供の学力に影響することを示唆する調査もある。

この調査では、小学生についても、中学生についても、母親の学歴よりも父親の学歴が子供の学力に影響を与える、としている。なぜそうなるかだが、父親の学歴が高ければ、世帯の収入が増え、教育投資も増える…という要因があるためだと考えられる。

父親の学歴と世帯収入には相関がある。また、世帯収入と教育投資の間にも相関がある。もちろん、父親の学歴と教育投資の間にも相関がある。そして、教育投資の多寡は、子供の学力に有意に影響を及ぼす、ということがある。

※平たく言えば、父親の学歴が高ければ世帯収入が多くなるので、塾に行かせたり家庭教師をつけることができる。いろいろな場所へ連れて行ったり、本をたくさん買うこともできるだろう。その結果、子供の学力が上がる…ということだ。

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まとめ

今回は、両親の学歴と子供の学力について書いてみた。

このことについては、いろいろな調査があり、結果が微妙に相反することもある。なので、どういう結論にすればいいのか迷うが(笑)、ここでは次のようにしたい。

両親の学歴は、子供の学力に影響を及ぼす。子供が小学生の間は、母親の学歴が強く影響し、中学生になると、(特に男子の場合)父親の学歴の影響が強くなる。ただしこのことは、頭脳の遺伝というよりは、親の学歴により、子供に対する行動や教育投資への姿勢や金額などが変わってくるためだ

なので、(あなたが子供であれば)親の学歴が低いので、自分は努力してもたかが知れている…などとは決して思わない方がいい。親の学歴が低いから、地頭が悪いということにはならない。親の自分に対する行動が不適切であれば、どう補えばいいか…と考えた方がいいだろう。

今回の記事:「子供の学力は両親の学歴と関係がある」