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子供の自制心を鍛える|子供に我慢させるときはひと工夫必要

子どもに我慢させたい、と思うことがないだろうか?

子どもの自制心を鍛えると良さそうだ…と、直感的に感じることもある。

子どもが我慢できなくて困る…という話はよく耳にするので、子どもに我慢することを覚えさせたい、子どもの自制心を鍛えたい、と思っているママは多いと思う。だがこの話、実は奥が深いのだ。

今回は、子どもと我慢について書いてみたい。

 

 

 

目次

マシュマロ実験

子供が自制心を働かせている様子

我慢できる子ども(自制心の強い子ども)は、学業の成績が良くなる。

これは、有名な「マシュマロ実験」という実験の結果から導き出された結論だ。実験の詳細は省くが、4歳児に対し、マシュマロなどを利用し、「自制心の強さ」を測定したものだ。

自制心の強い子どもは成功しやすい

この実験の本来の目的は、幼児期における自制心の発達度合いを調査することであったが、その後の追跡調査で、興味深い事実が発見されている。

1)4歳時点の自制心の強さ・弱さは、その後も維持される
2)自制心の強かった子どもは、その後成績優秀者となった
3)自制心の強さは、大人になってからも変わらない

ざっくり言うと、4歳時点で自制心の強い子どもは、学業を上手くこなすことができ、社会的に成功する可能性が高いということだ。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、4歳時点で発露している傾向は、大人になっても維持されるのだ。

※私的な解釈だが、目先の利益ではなく、将来を見据えた行動がとれるためではないか、と考えている。目先の利益にとらわれず、将来の利益を考える人の方が成功しやすいのだ。

子どもに我慢させればいいのか?

では、「子どもに我慢させればいいのではないか?」と思うはずだ。

子どもに何度も我慢をさせて、幼少期に我慢する習慣を身につけさせれば、いいのではないか?と思うはずだ。しかし、そう簡単な話ではない。

たまにスーパーなどで、欲しいものを買ってもらえず、駄々をこねている子どもがいる。親は子どもに対し、我慢するように言うが、子どもはなかなか言うことを聞かない…こんなシーンを見ることがあると思う。

 

 

 

過度なストレスを与えてはいけない

そんなシーンを見るたびに、「母親は大変だな」と思うが、

それはさておき…実は単純に子どもに我慢させることは、脳に良くないのだ。人はストレスを受けると、ストレスホルモンを分泌する。そのストレスホルモンが、脳にとってよくないのだ

過度なストレスが長期に渡って加わり、グルココルチコイドが過剰に分泌されると前頭前野、海馬あるいは扁桃体を傷つけ、 作業記憶(メモを取るまでの記憶等、ごく短期の記憶)や学習機能を著しく低下させてしまいます
出典:ストレスが脳に及ぼす影響

適度なストレスであれば、問題ないのだが…駄々をこねて泣き叫ぶぐらいなので、(欲しいものを買ってもらえないということは)分別のつかない子どもにとっては、大きなストレスなのだろう。

もしかすると、(大人に例えれば)人格を全否定されたぐらいの負のインパクトやストレスがあるのかもしれない。

大きなストレスによって生じたストレスホルモンが、脳のシナプスを破壊してしまう…ということもあるようだ。つまり、駄々をこね泣き叫ぶ子どもの脳で、シナプスの破壊が起こっているかもしれない…ということだ。想像すると、怖い話ではないか。

我慢させるときはうれしいことをセットにする

逆にうれしく感じることは、脳の発達にいい。

前回の記事で書いたように、ほめられたり、達成感を味わったりすることは、脳にとっていいのだ。したがって、子どもに我慢させるときは、「うれしい」こともセットにしてはどうか?

具体的には、子どもに、「ここで我慢すれば、後でいいことがあるよ」ということを知らしめるのだ。たとえば、スーパーで駄々をこねて大泣きしている子どもに対しては、タイミングを見計らって、「我慢できたら、帰っておやつを食べよう」と言うのだ。

子どもが喜ぶことであれば、何でも構わない。「我慢できたら、帰って遊ぼう」でもいい。そして、家に帰ったら、「よく我慢できたね」とほめてあげよう。

ドーパミンを利用する

そうすれば、子どもは、「我慢することは、いいことなのだ」と理解することができるし、ほめられて気分がよくなり、ドーパミンが出るだろう。

ドーパミンは、頭の働きを良くするのだ。ドーパミンが出ると、前頭前野(思考)、海馬(記憶)、運動連合野(運動)の働きが良くなるそうだ。また、「やる気」にも関係があるそうだ。ドーパミンの分泌が十分でないと、物事に取り組もうとかチャレンジしてみようという、「やる気」が起きにくくなるそうだ。つまり、ドーパミンは、頭の働きを良くすると同時に、「やる気」も生じさせるということになる。全く文句のつけようのない働きだ
出典:子どもはやはり、ほめて育てればいい

ドーパミンの働きについては、前回の記事で述べたとおりだ。

つまり、うれしいことをセットにして我慢させると、ただ単純に我慢させるよりも、はるかにいいということだ。

あと、「我慢できたら、帰っておやつを食べよう」と言ったら、そのことはキチンと実行して欲しい。子どもとの約束は、キチンと守るというのが原則だ。親が約束を守らないと、子どもも約束を守らなくなる。親子間の信頼関係を損ねるような行動をとってはいけない。

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まとめ

今回は、子供と我慢について書いた。

我慢できる子供は自制心の強い子供であり、将来的に成功する可能性が高いことは事実のようだ。

問題は、どうやって自分の子供を自制心の強い「我慢できる子供」にするかだ。

単純に我慢する回数を増やす、というのは、脳のことを考えると悪手のようだ。そうではなくて、「うれしいことをセットにする」というのがいいかもしれない。

子供に我慢させるときは、ひと工夫必要なのだ。

今回の記事:「子供の自制心を鍛える」