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子供の体力と学力の関係

子供の体力と学力の間には相関がある、とされる。

子供の体力が高ければ、学力も高くなる、というものだ。体力も学力も高い子供はいるが、どちらかが高く、もう一方は普通以下…という子供もいる。なので一見、体力と学力は関係なさそうにも思えるが、そう言われるからには、両者は相関関係にあるのだろう。

今回は、子供の体力と学力の関係について書いてみたい。

 

 

 

目次

子供の体力を向上させることが大事

体力のある子供が走る図

子供の体力を向上させることは、とても大事なことだ。

大人でも、定期的に運動している人は、運動していない人と比べて、健康状態がいいし、仕事や物事に対する意欲なども高く、ストレスにも強いように感じる。

体のコンディションと精神状態が密接に関係していることを考えると、当然のことだろう。体調が悪ければ、そちらの方に気が向いて、仕事や物事に対する意欲が低下したり、ストレスを受けやすくなってしまうのだ。

子供でも大人と同じことだ。おそらく体力は、人の土台のようなものなのだろう。

その上に、意欲、粘り強さ、気持ちの余裕、ストレス耐性などのメンタルに属する要素が乗っかっているのだ。したがって、子供の体力を向上させることは、とても大事なことなのだ。

役所によると、体力には二種類あるそうだ。 

健康に生活するための体力

ひとつは、健康に生活するための体力だ。

 

 

 

健康に生活するための体力とは、体の健康を維持し、病気にならないようにする体力のことを指しており、具体的には、インフルエンザにかかりにくいなど、感染症をはじめとする病気に対する抵抗力としてとらえられるが、今日の子どもたちの健康課題に照らし、こうした体力を表す適切な指標としては、生活習慣病につながる要因に関する値(高血圧者の割合や血中総コレステロール値が高い者の割合、肥満傾向など)や生活習慣病にかかっている者の割合などが考えられ、これらの値を現在より下げ、健康な状態で生活できる基本的な体力を高めることが必要である。

文部科学省HPより抜粋 

病気にならないための体力

長い文章で意味がパッとわかりずらいが、健康に生活するための体力とは、(一義的には)病気にならないようにする体力のこと(抵抗力)のようだ

たとえば、風邪をひきにくい、インフルエンザにかかりにくい子供は、健康に生活するための体力がある、と言える。また、生活習慣病につながるリスク要因を持たない子供が、健康に生活するための体力を持つ、とも言える。両方の意味があるのだろう。

運動をするための体力

もうひとつが、 運動をするための体力だ。

運動をするための体力とは、調整力、瞬発力、持久力などを要素とする運動をするための基礎となる身体的能力のことを指しているが、これらの要素については、「体力・運動能力調査」により把握できるものである。求められる運動をするための体力については、子どもによって一人一人異なり、明確な水準を示すことは難しいものの、今後諸施策によって、運動にかかわる身体の機能を高め、この調査における全体の平均値を低下傾向から上昇傾向に転じ、これまでの最高値を超えることを当面の目標とする。その際、体力が平均値より低い子どもたちの改善を図ることがより重要であり、運動する機会が少ない子どもに運動の機会を提供することで、体力・運動能力を高めていくことに留意する。

文部科学省HPより抜粋 

客観的に計測できる運動能力

運動をするための体力は、「体力・運動能力調査」により把握できるものだそうだ。体力測定やスポーツテストなどで、客観的に計測できる運動能力のことだ。投げたり、走ったり、跳んだり、力を入れたり…という類のものだろう。スポーツをするときに必要になる、基礎的な体力のことだ。

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体力と学力の関係とは

子供の体力と学力の間には、相関関係があることがわかっている。

体力テストの成績が高い都道府県ほど学力テストの成績が高くなっています。
この関係は統計学的に意味のあるもので、学力テストの成績の30%近くを体力テストの成績で説明できます。
出典:月間ポピー

※この場合の体力とは、 運動をするための体力だ。

学力が高いから、体力も高くなる…には無理がある。合理的な理由を考えることが難しいからだ。逆に、体力が高いから、学力も高くなる…であれば、自然な理屈だ。先に述べたように、体力という土台がしっかりしていれば、メンタルも安定し、学習意欲にも良い影響がでるからだ。

体力は家庭の経済力と関係がある?

子供の体力と家庭の経済力には関係があるようだ。

昔に比べてゆるい遊び場が減っているため、有償のスポーツクラブなどに通える子供が、体力面で有利になっている、ということがあるそうだ。

以前も指摘したことがあるが、防犯に対する意識が高まっている…ということもあるのだろう。一部では、子供がスポーツクラブで体力づくりをする、ということもあるようだ。

そうなると、家庭の経済力が関係してくる。

経済力の高い家庭で育つ子供の方が、体力が高くなり、その結果、学力も高くなる、という構図もあり得そうだ。※塾に通ったり家庭教師をつけられるから、という理由だけではなさそうだ。

外遊びで体力を上げる

とは言え、基本は外遊びで体力を上げることだ。

同じに遊んでいるように見えても、幼児に歩数計をつけて調べると、外遊びが室内遊びを圧倒します。運動量が大幅に増えます。
出典:月間ポピー

部屋遊びと外遊びとでは、運動量が全く違うそうだ。

また、以前の記事で書いたように、

小学校で外遊び(鬼ごっこやゴム跳びなど、昔ながらの外遊び)を授業の合間に取り入れると、平均以下だった体力テストの成績が、区内トップレベルに高まったそうだ。 

出典:子供の外遊びの効果と大切な理由

外遊びで体力を上げると、成績が向上するということがわかっている。親は子供の学力を高めるためにも、積極的に外遊びをさせ、子供の体力向上に力を注ぐべきなのだ。

 

 

 

※この場合の体力とは、 運動をするための体力だが、運動をするための体力と健康に生活するための体力が完全に独立しているわけではないだろう。運動をするための体力のある子供は、健康に生活するための体力もあるのではないかと思う(いくばくかの相関があるはずだ)。

まとめ

今回は、子供の体力と学力の関係について書いてみた。

子供の体力と学力の間に、相関があることは確かだ。学力を上げれば、体力が上がる…ということはなさそうだが、体力が上がれば、学力が上がる…ということはありそうだ。

体が丈夫であれば、学校を休むことはないし、粘りや頑張りもきくと思う。しっかりした土台があれば、その上の構造物も安定するだろう。運動能力の向上が学力の向上に結び付くことは、エビデンスがあり、わかっているようだ。親は子供の体力向上に努めたい。

今回の記事:「子供の体力と学力の関係」