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井上尚弥のお父さんの教育がすごい#2

先日、「井上尚弥のお父さんの教育がすごい」という記事を書いた。

そこでは、1)言い訳を禁止する、2)親のかかわりがある、3)5-3-2で指導する、ということについて書いた。5-3-2の指導というのは、5は普通に接し、3ほめ、2叱る、という指導のことだ。一般人の子育てにも役立つ知恵がありそうだが、どうだろうか。

今回は、井上尚弥のお父さんの教育の続きを書いてみたい。

目次

努力の積み重ねが大事

努力の積み重ね

井上尚弥の父親である井上慎吾さんは、努力の大切さをよく知っている。

井上尚弥の試合(のあるシーン)をみて、元世界チャンピオンが「教えて打てるパンチではない。サウスポーの見えにくいパンチを外して、そこにカウンターを合わせるのだからとんでもない才能だ」と言ったそうだ。※相手の右フックをスウェーでかわし、左フックを合わせたシーン。

たしかにこのシーンをみると、「すごい!」と思う。それも、相手は実績十分で名のある世界チャンピオンだ。彼のパンチを華麗に外しカウンターを当てるのだから、「こいつは天才だ!」と思うのも無理はない。※このような動きのできる選手は、限られている。

努力すればできること

だが、井上慎吾さんは、冷静にみている。

「僭越ながら言わせてもらえれば、あの左フックのカウンターも練習で打てるようになります。尚も試合直後の会見で、目利きの記者から三度目のダウンについて尋ねられて「いつもの練習通りです」と答えたように、練習で培ってきたものだったのです。
出典:努力は天才に勝る! pp.46-47

だれもが「すごい!」と思う動きを、努力でできる、と述べている。

1万時間の法則というものがある

1万時間の法則、というものについて、耳にしたことがないだろうか。

1万時間の法則とは、何毎に置いてもプロレベルになるには大体1万時間かかるというもので、1万時間を3年で割ると一日約9時間という事になります。
仕事であれば就業8時間を集中的に過ごし、その上残業1時間をやりこんで何とか3年で一人前になれるといった所で、感覚としてあながち外れてはいないと思います。
出典:人生3年捨てる覚悟ある? 成功するために必要な「1万時間の法則」

プロのレベルに達するまで、それぐらいの時間が必要だ、というものだ。

もちろん、分野によって、プロのレベルに達するまでに要する時間は変わってくるだろう。だが、ざっくり考えると、「1万時間の法則」というのは、的を射ているように感じる。

※プロレベルになるためには、地道な努力の積み重ねが必要になるのだ。

才能より努力だ…と考える

努力よりも才能だ、と考えると弊害が生じる。

努力しても結果が出ないとき、「努力する時間が足りないのだ」、「努力の仕方がまずいのだ」とは思わず、「才能がないからダメなのだ…」と、すぐにあきらめやすくなってしまうのだ。

※才能がないとすれば、楽だしあきらめがつく。

これでは、本来であれば成し遂げられることも、そうできなくなってしまう。才能重視では、粘りや柔軟性ということからはほど遠く、簡単に道半ばでポキッと折れてしまうためだ。

したがって、親も本人も才能より努力だと考えた方がいい。

父親がやってみせる

井上慎吾さんは、自分がやってみせることが大事だ、としている。

大切なのは自分がやってみせることです。自分は何もしないで、「ハイ、やれ」では示しがつきません。自分が率先してやることで、その背中を見せることで、子どもたちも付いてきます。
出典:努力は天才に勝る! p.78

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ。という有名な、山本五十六の言葉もある。つまり、親は子に「やってみせる」ことが大事なのだ。

井上慎吾さんが言うように、自分は何もしないで、子供に「ハイ、やれ」では、子供は動かない。自分が規則正しい生活をしていないのに、子供に規則正しい生活をしろ、と言っても無理がある。

なので、子供に約束を守って欲しかったら、自分が約束を守る、子供にあいさつをして欲しかったら、自分があいさつをする、勉強して欲しいのであれば、自分が勉強する、ことが必要だ。

そうすることにより、子供がついてくる可能性が出てくるのだ。

子供のレベルを上げるためには…

井上慎吾さんは、「強い相手以外とは戦わない」と述べている。

強い相手と戦うことで始めて、ステップアップできる、という考え方だ。

自分のレベルが「10」のときに、「6」のレベルの選手といくらやっても意味がない。もし、そうすれば、「(真面目な選手ほど)性根が腐ってしまう」、「ボクシングそのものをナメてしまうことにつながる」と考えている。

自分が解ける簡単な問題をいくらやっても意味がない…ということと同じだ。

また、レベルが100の選手とやっても意味がない、としている。勉強で考えると、小学生が大学入試レベルの問題に取り組んでも意味がない…ということだ。井上慎吾さんは、自分のレベルが10であれば、10か11の相手が必要、としている(同等か少し上ということだ)。

同じような実力の選手に競り勝てば、対戦相手から学ぶことなど、いくつもの発見があるため、ボクシングの幅がひろがり、ステップアップできる、としている。

成長にはチャレンジが必要

子供を成長させようと思えば、チャレンジが必要だ。

成長を目指すのであれば、自分の現在のパフォーマンスで達成できる目標よりも、やや高い目標(チャレンジが必要な目標)を立てるのが普通だ。その差を埋めようとする努力が成長を生み出すのだ。※現在の実力の2割増し程度が目安になる。
出典:失敗してもいい!むしろ仕事や人生で失敗した方がいい理由

したがって、子供の現在のパフォーマンスで達成できる目標よりも、やや高い目標(チャレンジが必要な目標)を立てるのが普通だ。ギャップを埋めようとする努力が、成長につながるためだ。

子供にチャレンジさせていない…と感じるのであれば、チャレンジさせることだ。

まとめ

今回は、「井上尚弥のお父さんの教育がすごい」の続きを書いてみた。

今回述べたのは、1)努力の積み重ねが大事、2)父親がやってみせる、3)子供のレベルを上げるためにはチャレンジが必要、ということだ。どれも、普通の家庭でも実践できることだ。

親が努力より才能だ、という思考をしていると、どうしても「うちの子は才能がないから…」と思ってしまい、努力の大切さに背を向ける、ということになる。この点には注意が必要だ。

ぜひ、井上尚弥のお父さんの教育のいいところを真似て取り入れてほしい。

次回の記事:「井上尚弥のお父さんの教育がすごい#3

今回の記事:「井上尚弥のお父さんの教育がすごい#2」

参考文献:「努力は天才に勝る!」井上慎吾著