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子供の友達が自分の子供に与える影響とは

子供の友達が子供に与える影響について、考えたことがないだろうか。

自分の子供が成績のいい子と友達になれば、自分の子供の成績にもいい影響があるのではないか、逆に行動に問題がある子と友達になれば、悪い影響を受けるのではないか…と考えることがあるはずだ。自分の子供に「いい子と友達になってもらいたい」と思うのは、そのためだろう。

今回は、子供の友達が子供に与える影響について書いてみたい。

目次

ピア効果(ピア・エフェクト)

子供と子供の友達

子供の友達が子供に与える影響は、ピア効果の一部としていいだろう。

ピア効果とは、peer(ピア)つまり、自分のまわりにいるクラスメートなどの仲間が自分の行動などに与える影響などを指す(双方向性がある)。

この効果にはプラスとマイナスがあり、成績のいい子と友達になり、自分の成績も上がるのであれば「プラス」、行動に問題がある子と友達になり、自分の行動にも問題が生じるようであれば、「マイナス」ということになる。

席替えはピア効果を狙ったもの?

わたしが小学生のときの話だが、席替えで隣になった子が、わたしにポツリとこう言った。

「お前、成績いいだろ」、「オレの隣になる奴は、みんな成績がいいんだ」。

わたしの成績が良かったかどうかは別にして、正のピア効果を狙って教師が席を決める…ということは、あるのだろうと思う。効果があるかどうかは、別の話になるが…

能力別にクラスを分けた結果…

能力別にクラスを分けると、クラスメートは自分と同じレベルになる。

自分よりはるかに高い能力を持つ子供もいないし、かなり下の子供もいない…という環境だ(自分を基準に上下がカットされた環境になる)。この場合、ピア効果はどうなるのだろうか。

 

 

 

この種の研究はたくさんあるが、それらをメタ分析した結果、能力別に上中下と3つのクラスに分けた場合、上のクラスにはややプラスの効果があり、中下のクラスについては、ほとんど効果がない(プラスの効果もマイナスの効果もない)という結論が導き出されている。

上のクラスの効果については、自分と同じような高い能力の子供たちをみて、「それまでのうぬぼれが修正され、真摯に学問に取り組むようになった」ということかもしれない。

友達が優秀であれば自分も?

友達が優秀であれば、自分の成績も上がるのだろうか?

少し自分のことを振り返って考えてみてほしい。私の場合は、3つのケースがあった。1)まったく関係ない、2)行動についてのみ影響を受けた、3)成績が上がった、の3つだ。

この話の結論だが、そのときの自分のレベルによるのだ。

先に、能力別に上中下と3つのクラスに分けた場合、上のクラスにのみややプラスの効果がある…という分析結果を紹介したが、この話と被るのだ。すなわち、自分のレベルが中以下であれば、友達が優秀であっても、何らプラスの効果はない。自分のレベルが中を超えていれば、ややプラスの効果を期待することができる(成績が上がる可能性がある)、ということだ。

友達が優秀でも効果がない

友達が優秀でも効果がない…には、理由がある。

ひとつは、自信をなくし自己肯定感を下げる…ということがある。優秀な友達が親や先生からちやほやされる姿を目にすると、「彼と自分は違う…」と落ち込んでしまう。

その結果、傷ついた自尊心の埋め合わせをするために、体面だけを取り繕おうとしたり、好ましくない補償行動をとることもあるだろう。そうすることは、自分を貶めることであり、成績にもつながらない。

 

 

 

ただし、それは自分のレベルが中以下の場合であり、自分のレベルが中を超えていれば、そのような害はなくなる。友達が親や先生から称賛されていれば、一緒に称賛できるし(気持ちに余裕がある)、「彼ができるのであれば、オレも…」という前向きな気持ちになるのだ。

※その場合は、「どうせオレなんか…」とは思わない。

負の影響は受けやすい

プラスの影響は受けにくいのだが、マイナスの影響は受けやすい。

逆だといいのだが、現実はそうなる。たとえば、あなたがクラスでプレゼンをしたとする。その後、クラスメートからフィードバックを受け取った。その内容は、賞賛が8割、批判が2割だとしよう。賞賛の方が圧倒的に多いのだが、気になるのは2割の批判の方だ。8割の称賛から元気をもらうよりも、2割の批判・ダメ出しに気を病む…ということになるかもしれない(笑)。

それほど、マイナスの影響は大きいのだ。

教育に関する研究でも、問題児の存在とその学級の学力の間に、因果関係があることがわかっている。それはそうだろうと思う。仕事でも、グループ内に問題児がいると、そのグループのパフォーマンスは下がる。その人物から何かと、負の影響を受けてしまうためだ(笑)。

行動の影響は受ける

先に、「行動についてのみ影響を受けた」と書いた。

その場合は、友達が優秀でも、自分の成績については何ら関係なかったが(自分の成績が上がることはなかったが)、行動について言えば、影響を受けた…ということだ。

 

 

 

具体的には、その優秀な友人が読書好きだったので、自分も読書が好きになった…ということだ。友達が図書館で本をよく借りていたので、自分も(影響を受け)そのうち借りるようになった…という経緯だったと思う。

このようなピア効果は、そのときの自分のレベルに関係なく受けることができると思う。ただし、行動についても、負の影響を受けやすい。なので、友達はある程度選んだ方がいいだろう。

まとめ

今回は、子供の友達が子供に与える影響について書いてみた。

友達が優秀であっても、自分の子供の成績にプラスの影響があるケースは限定的だ(自分の子供もある程度優秀である必要がある)。だが、行動についてはプラスの影響を期待できる。

なので、成績がいいだけではなく、行動も模範的だ…という子供を友達にした方がいいだろう。※成績が悪くても、行動が模範的であれば、自分の子供にプラスの影響を与える可能性がある。

一方、行動に問題がある…という子供は、自分の子供の友達にしない方がいい。仮にその子供の学力が高くても、そうしない方がいいだろう。行動面で悪影響を受けやすいためだ。

 

 

 

今回の記事:「子供の友達が自分の子供に与える影響とは」