子供との約束を破った時どうすればいいのか
子供との約束を守れない、ということがある。
子供と最初から果たす気のない約束をする、というのは論外だが、守るつもりであっても守れない…ということはある。仕事や仕事上の付き合いで守れない、ということはありがちなことだ。
問題はそんなときどうするかだ。今回はこの問題について書いてみたい。
目次
約束を破ることがある
親が子供との約束を破ることがある。
次の休みは○○へ行こう、と約束したが、仕事の都合で行けなくなった。
子供の「○○へ行きたい」という言葉に対し、その場しのぎで「また今度ね」としたが、その「今度」がいつまでたってもこない…というのも、(厳密に言えば)約束を破ったことになる。
××をすれば罰を与えると言いながら、実際には罰を与えないこともそうだ。
約束を破るとどうなる?
子供との約束を破ると、どういう影響が出るのだろうか。
自分が大事な約束を破られたときのことを考えてみよう。
その際は、「この人は信用できない、約束をしても反故にされる可能性が高い」、「こちらのことを軽く見ている」と感じ、「この人とはもう約束しないし信用もしない、今後はそれなりの付き合いしかしない」となるだろう。
※約束を破った方は、相手の自分に対する信用を失う、ということになる。
子供の場合はどうなる?
大人の場合は約束を破った相手に対することが主だが、子供の場合は自分に対することがある。
その場しのぎで約束をしてもいいし、約束を守らなくてもいいのだ…ということを学習するのだ。
そうなると厄介だ。自分の信用を自ら貶める行動をとるようになり、親との約束も平気で破る…ということになる。親がそうしているのだから、自分もそうしていい…と思うのは自然なことだ。
※不適切な学びを自分の行動に反映させ、自壊的な行動をとってしまう。自壊的である、と自分で気が付けばいいが、そんなことは期待できない。むしろ、破らないと損だと思うかもしれない。
約束を破ったときの行動は
言い訳をしない
なので、親はできるだけ子供との約束を守るようにしなければいけない。
だが、約束を破ってしまうこともあるだろう。そのときの対応だが、まず、言い訳をしてはいけない。
人は言い訳を聞くとイラッとするようにできている。
責任があるのに責任を転嫁しようとしている、つまり、自己正当化し自分に責任はないとしようとしている…と感じるためだ。言い訳をされると、約束を破られてイラッとしているところに、さらにイライラが重なるのだ。
※言い訳が通用するのは深刻な理由のみで、仕事云々は言い訳にならない。
子供の話をよく聞く
子供の話を聞くコツについてはこの記事で書いた。
子供との約束を破ったときは、子供の話は「そのことを責める」ということになるだろう。
親は約束を破ったことがいいことでないことはわかっているが、そのことを責められると鬱陶しく思う。自分に非があるだけに、話を早く切り上げたいと思い、子供の話を聞けなくなってしまう。
そんなときこそ、子供の話をよく聞き、気持ちを受け止めなければいけない。
素直に子供にあやまる
子供の話をよく聞いたあとは、言い訳をせず素直にあやまることだ。
以前、一緒に仕事をした人が比較的大きなミスをして、わたしに迷惑をかけたことがある。
その際、「こういうことでは困るのだが…」というわたしの苦言に対し、その人は一切言い訳をせず、やや緊張した面持ちで、「申し訳ありません」とわたしに謝罪した。その態度が素直で真摯だったので、それ以上は何も言う必要がなかった。
素直に真摯にあやまれば、相手は受け入れてくれるのだ。
埋め合わせをすればいい
子供との約束を破ったときは、埋め合わせをすればいい。
子供に対し、ネガティブな発言を「1」した場合は、ポジティブな発言を「3」することでバランスがとれる。
※ゴットマン率
この話と同様に、約束を破った場合は、3倍ぐらいの埋め合わせが必要になるのかもしれない。そうすることで、子供は親に対する信頼を失うことなく、良好な人間関係を保てる…ということだ。
約束を破ることは、高くつくのだ(笑)。
守れない約束をしない
守れない約束をしない、ということを肝に銘じたい。
その場しのぎで適当な約束をする、子供の歓心を買うために約束をする、ことはやめたい。
それらの約束は守れない可能性が高いためだ(最初から守る気がないケースもよくある)。一時の満足を得るためにそういうことをしていると、あとで大きなしっぺ返しをくらうことになる。
高くつく…と認識する
子供との約束を破ると、高くつく…と認識したい。
上で述べたように、埋め合わせは「1」では済まないだろう。
約束を破っていない状態にもどすためには、それより大きな努力が必要になる。
何より大きいのは、子供に対する負の影響だ。
約束やぶりは、子供の心に染みを作る。しかもこの染みはなかなかとれない。大人になってもなお覚えていることもある。負の強い情動が伴うため、長期記憶として保持され続けてしまうのだ。
また、先に述べたように、親の行動からその場しのぎで約束をしてもいいし、約束を守らなくてもいいのだ…ということを学習する。相手を軽んじてもいいのだ、ということも学習するだろう。
こうなると、自分で自分の居場所を狭くする自壊的な行動をとる子供になってしまう。
※お金で埋め合わせのできないコストになってしまうのだ。
子供との約束を破った時 - サマリー
まとめ
今回は、子供との約束を破った時どうすればいいのか、について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)言い訳をしない、2)子供の話をよく聞く、3)素直に子供にあやまる、4)埋め合わせをすればいい、5)守れない約束をしない、6)約束を破ると高くつく…と認識する、の6つになる。
6について補足したい。
子供との人間関係がおかしくなる、というコストもある。
子供は親を信用できなくなるのだから、人間関係が悪くなるのは当然の成り行きだ。人は自分を軽んじる人と仲よくしたいとは思わないものだ。そうなると、親はストレスを抱えることになる。
※当然、子供も嫌なストレスを抱える。子供は嫌なストレスの下で育ってしまう。
さらに、約束を破ることで自分のセルフイメージを落とす、ということもある。自分は約束を守る人間だ、と自分を誇る人はいるが、自分は約束を守らない人間だ、とそうする人はいないのだ。
今回の記事:「子供との約束を破った時どうすればいいのか」