勉強嫌いは親のせい…これだけはしないようにする
多くの場合、子供の勉強嫌いは親のせいだとしていいだろう。
もともと子供は勉強が嫌いではない。知らないことを知りたい、と思うのは当然のことだ。
知ることは、内的な報酬にもなる。あなたも知らないことを(学習により)知ったとき、うれしく感じることがあるはずだ。この自然な気持ちに横やりをいれるのが、親ということになるのだ。
今回は、勉強嫌いは親のせい、というテーマで書いてみたい。
ほかの子と比較する
学齢になると、(本格的に)自分の子供をほかの子と比較し始める親がいる。
そして、自分の子供よりできる子がいることを知ると、嫉妬したりがっかりしてしまう。結果、その自分のネガティブな感情を補償するために、子供に勉強を強要する、ということになるのだ。
その負の感情から生じるイライラを子供にぶつける、きつく接する、ということもある。
比較すると伸びない
ほかの子と比較すると、子供は伸びない。
あなたもそうだと思うが、人は他人と比較されることが嫌なのだ。
よくできる他人と比較されてディスられると、自分はダメな奴ではないかと思う。その結果、自己肯定感を下げてしまう。自己肯定感を下げると、行動力も落ちるので勉強にはマイナスに働く。
どうせ自分なんて価値がない、期待されていないし…と思ってしまう。
比較してもいい
ただし、比較が全部だめ、ということではない。
平均点やそのほかの統計的なデータがあれば、比較・分析してもいい。
それは、子供の現在のパフォーマンスを客観的に確認・評価するためだ。そして、勉強のやり方、勉強にかける時間などが適切かどうか…、つまり、正しい努力ができているかどうか確認する。
※誰々が何点とったとか、そういうことではなく、統計データと比較する。
勉強の目的を間違えない
勉強の目的を端的にいえば、自分を成長させることだ。
※もっといえば、仕事の目的もそうだ。金銭目的だけでは、本当につまらない。
この目的を、クラスで1番になること、学年でトップクラスに入ること、少しでも偏差値の高い学校に入ること、とすると道を誤る。そういう親の価値観が子供に植え付けられてしまうためだ。
※学校にしても、偏差値が高いかどうかよりも子供に合うかどうかの方が重要だ。
自分は無理…と諦める
子供が成績至上主義・偏差値至上主義のような価値観を持つと危うい。
劣等コンプレックスを持つようになるためだ。
この種の価値観を持つ人は、自分が所属する集団の中で比較を行う。ゆえに、必ずといっていいほどコンプレックスを持つようになる。自分のレベルが上がると、集団のレベルも上がるためだ。
※その集団には、必ず自分より成績のいい人がいる。
成長できなくなる
この劣等コンプレックスは、自身の成長を阻害する。
このコンプレックスを持つと、自分の能力では無理…と、早々にあきらめてしまうのだ。
いい結果を出すためには、何より努力が必要だ。この努力の大切さを(本当の意味で)理解することなく、自分の能力では無理と思い、大人になると、もっと勉強しておけばよかった…と思う。
このタイプの大人が親になると、子供に勉強を強いるようになる。
勉強しなさい
勉強しなさい、という声掛けには意味がない。
正確には、意味がないというよりは、逆効果になってしまう。
子供の自律性を侵害することになるため、子供が勉強ぎらいになる公算が大きい。
それよりは、普段の会話の中で子供の興味を引く話をして好奇心を刺激する、ということの方がいい。そして、子供が何かに興味を持てば、書籍(漫画による解説でもいい)を買ってあげる。
※一緒に子供が興味を示すことについて調べる、ということもいいだろう。
負のスパイラルへ
親が子供を巻き込み、負のスパイラルへ嵌ってはいけない。
親に比較されて育った子が親になり、同じように比較して子供を育てる。
成績至上主義・偏差値至上主義のような価値観を持ち、劣等コンプレックスを持つ親が子を育てる。もっと勉強しておけばよかったという後悔の念を強く感じる親が子供を育てるということだ。
そもそも、社会に出て成功するかどうかは、学校の成績で決まるものではない。
自分を成長させることを目的にしているか、好きなことを見つけることができるか、地道な努力を積み重ねることができるか、人に好かれるような言動ができるか、など変数はいくつもあるのだ。
※勉強にリソースが偏ると、人としてのバランスを崩す公算もある。
勉強嫌いは親のせい - サマリー
まとめ
今回は、勉強嫌いは親のせい、というテーマで書いてみた。
冒頭で書いたように、子供は(知りたい欲求が満たされる)勉強が嫌いではない。
子供をわざわざ勉強嫌いにさせるのは、(残念だが)ほかでもない親ということになる。
そうさせないために、1)ほかの子と比較しない、2)勉強の目的を間違えない、3)成績至上主義・偏差値至上主義はやめる、4)もっと勉強しておけばよかった…と後悔しない、としたい。
まぁ「もっと勉強しておけばよかった」とは思うのだが(笑)、今さらどうにもならないことを後悔しても仕方がない。せめて、その思いを子供にぶつけて勉強嫌いにするということは避ける。
本文では書いていないが、親の勉強に対する否定的な感情、というものも子の勉強嫌いの原因になる。親が勉強は苦役だ、嫌々やるものである…などと思っているとその感情は子供にも伝わる。
親が子供を巻き込み、(とてもつまらない)負のスパイラルへ嵌ってはいけない。
今回の記事:「勉強嫌いは親のせい…これだけはしないようにする」