子供を自由に育てる…を実践するためには
子供を自由にのびのびと育てたい、と思う親御さんは多いと思う。
だが、楽しく自由にのびのびと…としても、親が子供に対しすべき行動はある。単に、子供の意志を尊重してやりたいようにやらせればいい…ということではない。これでは放任になるだろう。
今回は、子供を自由に育てるを実践するためには、というテーマで書いてみたい。
子供を自由に育てる
子供は自由にのびのびと育てればいい。
このことに異論はないが、子供がやりたいようにやらせ放置する…ということではない。
※自由にさせると、(自覚のない大人も同じだが)食生活も時間の使い方もだらしなくなる。
基本は愛情を持ち温かく見守ることだが、適切な干渉、働きかけ、アドバイス…というものは必要になる。それらがなければ、後に子供が「うちの親は無責任ではないか…」と思うことがある。
※どの程度親が行動すべきかについては、唯一無二の正解はない。
欲するときに教える
子供が学齢に達する前の話になるが、正しい動きは親が教えなければいけない。
たとえば、お箸の正しい持ち方は子供に教える必要がある。自由に持っていいではダメなのだ。
知らない親もいると思うが、子供には随意筋(自分で動かすことのできる筋肉)を調整する時期、というものがある。この時期は、筋肉の動かし方についての<学びを欲する時期>なのだ。
子供は学びたいと思っているので、親が教えれば嫌がることなく自分から取り組む。練習を重ね、できるようになると、喜び自信を持つようになる。大きな成功体験になる、ということだ。
お箸は自由に持てばいいとして教えなければ、この機会を失うことになるのだ。
※子供が欲しているときに教えれば、最高のタイミングになる。
習いごとは親が決める
学齢前の子供の場合は、習いごとは親が決めていいのだろうと思う。
子供に何を習いたいのか尋ねても、自分では何が習いたいのかよくわからないためだ。
最初から「一度やり始めたら最後までやる!」ということではなく、最初は間口を広く取り、「子供が好きなことを見つける」ということでいいと思う。だから、途中でやめても問題ない。
一度やり始めたら最後までやる、は、絞り込んだ後の話だ。親は、子供が習いごとを通じて成長しているかどうか、ということに留意する。楽しんで取り組めないと、なかなか成長しない。
※学ぶ意欲がどうか、嫌がっていないかなどの様子にも注意を払う。
子供の話をよく聞く
自分が気に入らない話は聞かない…という親がいる。
会社にもこういうタイプの上司がいる。
少しでも上司の気に入らない話をすると、あからさまに不機嫌になり、まわりに気を遣わせる。負の感情を抑えることができず露わにする。当然、こういう上司には悪い報告をしにくくなる。
部下が悪い報告を隠すと、最終的には上司の「損」になるが、そのことを理解していない。親子関係も同様で、自分の意に反する話でも、子供の話にはフラットに耳を傾ける必要があるのだ。
※聞きたくない話ほど、相手の気持ちに寄せて聞かなければいけない。
過ぎた干渉をしない
過干渉というものだが、子供に過ぎた干渉をしない。
過干渉の親には、親が先回りして何でもやってしまう、子供を管理・コントロールしようとする、自分の気持ちが先で、子供の気持ちは二の次(もしくは考えない)、子供の欠点ばかり気にする、
ほめることには消極的だが、責めることには積極的、結果ありきで(面倒なので)プロセスを重視しない、自分が常に子供より正しいと思う、子供のプライバシーを認めない、などの特徴がある。
また十分に説明せず、あなたのためにしていることだ、を水戸黄門の印籠のように使いがちだ。
※親の不当な干渉により、子供の自由が著しく制限されることになる。
子供の裁量を増やす
年齢とともに、子供の裁量を増やしていく。
たとえば、子供の進学先は自分で決めさせればいい。
子供にとって、どこの学校へ進学するか、というのは、とても大事なことだ。大人に置き換えれば、どこの会社で働くのか、何を一生の仕事にするのか…と同じぐらい重みがあることなのだ。
そんな大事なことを人に決められたくない。
もし、親や学校の先生に決められたら、一生後悔することになるかもしれない。そして、そのことを恨みに思うかもしれない。成長に合わせ子供の裁量を増やし、自分で選択し決断できる子供にする。
※子供が選択・決断するための材料は、提供すればいい。
子供に自信を持たせる
子供に自信を持たせれば、自由を行動に変えることができる。
4~5月生まれの子供は、体格的なことを含め能力的な自信を持つ。
だから物怖じすることなく行動することができる。昔はそういう子供が学級委員長を務めていた。早生まれの子供には、そのようなアドバンテージがないので、特に自信を持たせることが必要だ。
※今でも、そういう制度がある学校はそうだろう。
そのためには、先に書いたように、「子供が欲しているときに教える」、「子供が好きなことを見つける」ということが必要だ。親が子供が輝く場を見つけ邪魔をしなければ、子供は自信を持つ。
※勉強、芸術、スポーツ…分野にかかわらず、親は子供が輝く場を取り上げないでほしい。
子供を自由に育てる - サマリー
まとめ
今回は、子供を自由に育てるを実践するためには、というテーマで書いてみた。
子供は自由にのびのびと育てればいいが、子供に自由にやらせ放置する…ということではない。
親による適切な干渉、働きかけ、アドバイス…というものは、必要になるのだ。
具体的には、1)欲するときに教える、2)学齢前の習いごとは親が決める、3)子供の話をよく聞く、4)過ぎた干渉をしない、5)子供の裁量を増やす、6)子供に自信を持たせる、の6つだ。
学齢前の子供がいれば、お箸の正しい持ち方をきちんと教える必要がある。
このことは、象徴的なことだ。
少し考えると、子供は無理やり持ち方を教えられるので、嫌がるのではないかと思う。だが、意外にそうではない。興味を持って取り組んだりする。学びを欲しているため、自然とそうなるのだ。
基本を子供に教えることは、とても大事なことだ。
親に教えられた基本は一生ものの財産になる。基本がしっかりしていれば、自由を利用して羽ばたくことができる。基本的な考え方というものも、子供が欲する時期に教えればいいと思う。
親は責任を持ち子供を自由にのびのびと育てたい。
今回の記事:「子供を自由に育てる」