子供の自信を最大化する|根拠のない自信を上手く使う
自信には、根拠のある自信と根拠のない自信がある。
真面目な人は、後者には目もくれず前者を育てようとする。
もちろん、根拠のある自信を育てようとすることはいいことで、どんどんやればいい。だが、根拠のない自信を無視することはもったいない。自信をいい感じで最大化しようと思えば、両方の自信を上手く利用する必要があるのだ。
今回は、子供の自信を最大化する、ということを書いてみたい。
根拠のない自信とは
わたしは、根拠のない自信とは、<負債>だと考えている。
平たくいえば、<借金>なのだ。
だから、リスクを嫌う慎重な人は、根拠のない自信を持とうとしない。借金を嫌い自己資本(根拠のある自信)をベースにして行動する。一方、リスクをとる人は、借金+自己資本をベースにして行動する。
堅実なのは前者だが、早く成長したり大きく成長するのは後者になる。
自信のない子供が多い
内閣府が出している調査(平成26年版)によると、
日本の子供たちは、(諸外国の子供たちに比べ)自己肯定感が低いそうだ。
自分自身に満足している割合が、日本の子供たちは46%だが、アメリカの子供たちは86%である。ダブルスコアに近くなる。
自己肯定感の程度は、むずかしいことに取り組む姿勢に影響する。日本の子供たちがむずかしい問題に意欲的に取り組む割合は52%。アメリカの子供たちは79%だ。その差は27%になる。
この差が国力の差の説明変数の一部になっていることは、想像に難くない。
自信がないと成長しない
成長するためには、むずかしいことに取り組む姿勢が重要だ。
成長には適度なストレスが必要なのだ。
『ボビー・フィッシャーを探して』のJ.ウエイツキンは、本人の体験を通じて「成長は限界ぎりぎりのせめぎ合いの中から生じる。人間が学ぶのは、能力の限界を押し上げようと精一杯頑張るときだ」という洞察を得ている。
つまり、成長するためには、むずかしい問題に意欲的に取り組む必要がある、ということだ。
※自信がなければそうできず、成長することができない…ということ。
参考文献:PEAK PERFORMANCE
子供の自信を最大化する
根拠のある自信を育てる
自己資本に相当する根拠のある自信は、どんどん育てればいい。
子供が小さいころから成功体験を積ませよ、という話を聞いたことがあると思う。
これは、成功体験を積ませることで、自己資本を厚くしよう、ということだ。成功体験といっても、成功に至るまでの失敗体験も含む。失敗を糧にして成功する体験が、真の成功体験になる。
この真の成功体験は、どんどん積み重ねていけばいい。
汎用的な洞察を得る
汎用的な洞察を得ることができれば、根拠のある自信は揺るがなくなる。
汎用的な洞察とは、ケースに特化したものではなく、どんなものにも使える洞察のことだ。
※どんな勉強にもスポーツにも使える洞察のこと。
先に述べたJ.ウエイツキンは、「成長は限界ぎりぎりのせめぎ合いの中から生じる。人間が学ぶのは、能力の限界を押し上げようと精一杯頑張るときだ」という汎用的な洞察を利用して、勉強(チェス)とスポーツ(武術)でトップに立っている。
真の成功体験を通じて汎用的な洞察を得ることができれば、根拠のある自信は揺るぎのないものになる。
どの分野に進もうが、成功する確率が高くなるだろう。
根拠のない自信を使う
とは言え、そこまでの道のりはなかなか険しく時間もかかる。
いくら経験を積んでも、自信が揺らぐ、ということは普通にあることだ。
汎用的な洞察を得てそれを芯に据えない限り、いくら経験を積んでも自信は揺らぐのだ。
そんなときは、根拠のない自信を使えばいい。すぐには自己資本を厚くできないのであれば、借金を使えばいいのだ。借金というのは悪いものではなく、有効に使うことで良いものになる。要は、使い方次第なのだ。
※自分にも子供にも根拠のない自信を持ち使ってもいい、としたい。
子供の自信を奪わない
親は子供の自信を奪わないようにしたい。
たとえば、子供が紙で作った翼を背につけ飛んだ気になっていても否定しない。
その根拠のない「飛べる」という自信は、将来何か「飛べるもの」を開発する力になったり、パイロットになって自分が「飛ぶ」ということにつながるかもしれない。そうでないとしても、その想像力は創造力となり、きっと子供の将来にとって有益なものとなります。
出典:根拠のない自信 | 自己肯定感を高める子育て
親の現実目線で否定しない、ということだ。
オリンピックで金メダルをとりたい、という子供に対し、親が「いやいや、国体に出るぐらいが現実的だよ」などと言うと、子供は「そうなんだ…」と思い、夢や根拠のない自信を失ってしまうだろう。
親はドリームカッター、コンフィデンスカッターになってはいけないのだ。
無条件の愛情を与える
子供には無条件の愛情を与えたい。
親がとにかく認めてくれた、その結果今、かなり打たれ強いです。その後の人生、ここまで乗り切れたのは、両親の厚い信頼があったから。
出典:親から無条件に愛された、という自信のある方いますか?
とにかく子供を承認する。家庭を承認空間にする。
子供が失敗しても承認する。たとえ受験に失敗しても、「ナイストライ!」「あなたの努力はしっかり見ていたよ」として、承認すればいい。失敗の原因を求めたければ、やり方に求めればいいだろう。
失敗を学びにし、やり方を変えれば次回は上手く行くだろう…とすればいい。
※将来の成功のために必要な失敗だった、とすればいい。
子供の自信を最大化する - サマリー
まとめ
今回は、子供の自信を最大化する、ということを書いてみた。
そのための方法は、1)根拠のある自信を育てる、2)真の成功体験を通じて汎用的な洞察を得る、3)根拠のない自信を使う、4)子供の自信を奪わない、5)無条件の愛情を与える、の5つになる。
根拠のある自信はどんどん育てたい。
真の成功体験を通じて汎用的な洞察を得ることで、それを揺るぎないものにする。
同時に、根拠のない自信も使えばいい。
※子供の自信を最大化するためには、根拠のない自信を上手く使う必要がある。
たとえば、子供に根拠のない自信があれば、はじめての場所でも、「自分は意見を言ってもいいのだろうか…」とか、「自分は受け入れられるのだろうか…」と、過度に心配したり不安になったりすることがなくなる。
そのために、親が子供の自信を奪わない、無条件の愛情を与える、家庭を承認空間にする…ということが必要になる。もし、親がこれらに反したことをやると、子供の自信は育たなくなるだろう。
根拠のある自信と根拠のない自信を上手く使って、子供の自信を最大化したい。
今回の記事:「子供の自信を最大化する」