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美術・音楽の才能がある子供のIQは高いのか

音楽の才能がある子どもはIQも高い…とみられることがある。

たしかにそんな印象を受けるが、そのイメージは、事実から来るものだろうか?それともただのイメージにすぎないのだろうか(音楽家は成績優秀で、頭もキレるというイメージがある)。

今回は、美術・音楽の才能がある子供のIQについて書いてみたい。

※ハーバードで発達心理学の博士号を取得したE.ウィナー教授の見解にしたがう。

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 目次

 美術の才能がある子供

美術の才能がある子供がいる。

美術の才能のある子供も、学問の英才児が備える特徴を持っている。

すなわち、1)著しく発達が早い、2)独習する、3)習得意欲が強い、という特徴を持っている。※ある特定の領域には並はずれた才能を発揮するが、他の分野では平凡だ…という場合もよくあるそうだ。この点も、学問の英才児と同様だ。

たとえば、ある才能のある5歳の子供が描いた絵は、14歳の普通の子供が描く絵よりも、専門家から「優れている」と評価されたそうだ。※「遠近感」、「寸法のバランス」、「細部の表現」などに優れる、と評価された。また、これらの技術が独習によって習得されたことも評価された。

 美術の才能のある子供が優れている点

美術の才能のある子供が優れている点を挙げてみる。

美術の才能のある子供は、見る、記憶する、視覚化する、画像を変形する、という能力に優れる。また、視覚的想像力(イメージする能力)も高い。モノの一部をみて、素早く全体が何であるのかを当てる…という能力に優れる。また、隠れた形を見抜く能力も高いそうだ。

さらに、視覚的な記憶にも優れる。

絵の才能のある子供は、絵の色、線、形、構図、質感などを上手に思い出せる。ペルシャ文字のような言語化できない文字の記憶に関しては、数学の才能がある子供よりも、優れているそうだ。

※ただし、これらの能力は、言語的IQとは無関係である。

 美術の才能とIQには相関がない

美術の才能とIQには相関がないようだ。

先に述べたように、美術の才能のある子供には、普通の子供より優れた能力がある。

ただ、この能力は、IQには結びつかないようだ。

絵の才能が、視覚空間的技能に頼るのに対し、IQテストは、主として言語と数の能力、抽象的な推論の能力を測るためのものだからだ。※数学は絵よりも抽象性が高い。

絵の才能を持つ子供は、言語的な問題を持つことが多い…とも言われる。そう言われれば、プロの画家などに「話すことが好きだ」、「饒舌だ」というイメージはほとんどない。

絵の才能と言語能力が、トレードオフになっているのだろうか…

 音楽の才能がある子供

音楽の才能がある子供がいる。

五歳のとき、課外活動の時間に、音楽教育の専門家ではない先生から、ごく初歩的なピアノのレッスンを受けはじめた。彼はたちまち楽譜の読み方を理解した。二、三か月後、その先生から両親に連絡があり、息子さんはずばぬけた音楽の素質の持ち主で、何でも「吸い取る」ように覚えてしまうから、「本当の」音楽の先生につけた方がいいと告げられた。
出典:才能を開花させる子供たち p.109

このような子供のことだ。

彼は若干5歳で、教則本で練習することを嫌がり、ピアノやオーケストラの楽譜を初見で演奏したそうだ。その後、6歳から即興演奏をはじめ、7歳からは作曲をはじめたそうだ。

 音楽の才能のある子供が優れている点

音楽の才能のある子供が優れている点を挙げてみる。

まず、音楽の構造にすぐれた感受性を持つ。

※音楽の構造というのは、調性、キー、ハーモニー、リズムなど。

言語と音楽を比較してみよう。言語の構造への感受性というのは、万人が持つものだが(だから、誰でもある年齢に達すると話せるようになる)、音楽の構造への感受性というのは、限られた人しか持たない。だから、「普通とは異なる才能だ」と認識されるのだ。

また、音楽の才能のある子供は、音楽的記憶力が高い。

※耳にしたものを、完全に再現することができる(耳コピーを完全にできる)。

音楽の才能の発露は早い

音楽の才能は、幼いころにあらわれる。

偉大な音楽家は、1,2歳の段階で才能をあらわすそうだ。

※音楽の才能の場合は、(才能の発露は)ほぼ例外なく6歳以下だそうだ。ある音楽家たちを対象にした調査によると、彼(女)らの才能が発見されたのは、平均すると「4歳9ヶ月」だったそうだ。ちなみに、モーツァルトは6歳前に作曲を始めている。

 音楽の才能とIQには相関がない

音楽の才能がある子供は、「知能指数も高い」と思われがちだ。

実際に、音楽の才能がありIQも高い、という子供はたくさんいる。だが、結論をいえば、音楽の能力がIQに依存している、ということはないそうだ。IQが90前後あれば、IQが音楽の能力を左右することはないそうだ。※90以上あれば、何ら問題はない。

音楽にずば抜けた才能を示す子供でも、知能(数学と言語能力で測られる能力とする)は平均にすぎない、ということは普通にある。※能力に偏りがあると、IQは下がることもある。

調査では、音楽の才能とIQの相関関係は極めて低い、という結果が出ている。

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 美術の才能を持つ子供よりは成績が良い

ただし、美術の才能を持つ子供よりは成績が良いそうだ。

その理由だが…

音楽の才能を持つ子供として調査された子供は、クラシックのレッスンを受けている。このタイプの子供の場合は、その両親も高い教育を受けていることが多く、家庭環境が知的であることが多い。※子供にとって、知的に刺激的な環境である、ということだ。

また、クラシックのレッスンでは、じっと座って集中する、という作業を強いられる。この作業から、「勤勉さ」や「粘り強さ」を養えるのではないか…ということが考えられる。

また、音楽のレッスンが、「空間的技能の発達を助ける」という可能性もあるそうだ。

ある研究では、学齢前の子供の空間的推論が音楽のレッスンを八ヶ月受けることによって向上したことが証明されている。
出典:才能を開花させる子供たち p.132

この能力は、算数や数学に役立つ可能性がある。

さらに、音楽のレッスンにおける指先の動きが、脳に好影響を与える…ということもあるかもしれない。※哲学者のカントは、「手は第二の脳である」という主旨の発言をしている。

参考文献:才能を開花させる子供たち, Ellen Winner