後悔しないための子育てブログ

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子供のテスト勉強は学習にならない

あなたはテストを使って、子供に勉強を強いていないだろうか。

家庭学習でも、「あとでテストをするから」ということで、子供に勉強させていないだろうか。中には、「テストで良い点を取るまで、勉強を続けなさい」という親もいるかもしれない。

今回は、このやり方は効果的ではない、ということを書いてみたい。

目次

学習の定義

学習の定義だが、以下のとおりだ。

1 学問・技術などをまなびならうこと。「―の手引」「―会」
2 学校で系統的・計画的にまなぶこと。「英語を―する」
3 人間も含めて動物が、生後に経験を通じて知識や環境に適応する態度・行動などを身につけていくこと。不安や嫌悪など好ましくないものの体得も含まれる。
出典:「学習」の意味

学習とは、学んで身に付けることのようだ。

何かを学んで身に付けるためには、記憶するだけでは不十分で、インプットを消化し吸収しなければいけない。それが、「理解する」ということになる。もっといえば、インプットを消化吸収する価値も、自分で理解しなければいけない。※理解を伴わない記憶には、大した意味がない。

徹夜のテスト勉強には意味がない

徹夜で勉強した子供

テストの前に、徹夜で勉強したことがないだろうか。

私は記憶型のテストのとき、徹夜で勉強したことがある。テストの対象になる部分を何度も何度も読み返す…という戦略をとったが、結果はさんざんだった(笑)。

そのときは覚えたつもりになっても、いざテストになると出てこないのだ。当日は体調は悪いは、頭は働かないはで、もう二度と徹夜はしない…と思ったことを覚えている(笑)。

徹夜にもメリットはあるが…

徹夜のメリットとしては、以下のようなことがあるようだ。

勉強した直後に試験となるため、ヤマが当たるとそれ程悪い点数を取ることがない。
なれていると普通に勉強した時よりも効率よく良い点数が取ることができる。
試験範囲が広くない場合は一夜漬けでも良い点数を取ることができる。
全教科の範囲をノートに全て書いて覚える形で徹夜すると範囲が少なくなったような気持ちになり効率よく進む。
出典:ウィキペディア

個人的な経験からすると、あまり納得できる…という話ではない。

直前に記憶の作業をしたので、短期記憶で乗り切れる…ということがあるのかもしれないが、そもそも徹夜で勉強すると、その記憶作業自体が滞る。

本来寝ている時間なので、集中力が低下し活動時間帯に記憶するようには記憶できないのだ(記憶力の低下があり、記憶の効率がかなり悪くなる)。

また、脳が休んでいないため、オーバーワークで上手く働かない。

テストの本番で「覚えたつもりだったのに出てこない」というのは、そのためだろう。覚えたことを(覚えたつもりのことを?)、上手く取り出せなくなるのだ。

とはいえ、ある調査では徹夜のテスト勉強には効果があった、とする結果も出ている。少しでも効果を感じた人が7割弱存在する。なので、テストのためには効果があるかも…としておこう。

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テスト勉強は学習にならない

普通のテスト勉強も学習にならない、ということを書いてみたい。

大学生たちを被験者とした実験がある。

彼らに、ある複雑な内容を3時間学習する、という課題を与えた。そして、(学習前に)学生たちを半分に分け、最初の半数には「学習の内容はテストされ成績がつけられる」と話し、あとの半数には「学習した内容を他人に教えてもらう」と話した。

この実験の目的は、事前に言われた内容によりパフォーマンスに差が出るか…というものだ。で、結果だが、2つのグループ間で(パフォーマンスにおいて)ハッキリした差が出たそうだ。

最初の「テストされ成績がつけられる」と言われたグループは、(統制されていると感じ)内発的動機づけが低く、学習成果も比較的悪かったそうだ。逆に、「学習した内容を他人に教えてもらう」と言われたグループは、内発的動機が高く、学習内容をきちんと理解していたそうだ。

テストするはモチベーションを下げる

一見すると「テストをする」と言えば、モチベーションが上がるのではないか…と思ってしまうが、実はそうではなく、モチベーションを下げてしまうのだ。

少し学生のころを振り返ってみよう。教師が突然「テストをする」と言えば、「えーっ」と学生から抗議の声があがっていたはずだ。その裏でほくそ笑んでいたのは、準備ができている少数の学生たちだけ…ということだったはずだ(笑)。

だが、誰も準備のできていない状態で、「後でテストをするから3時間学習しなさい」と言われれば、ほぼ全員が「えーっ」となるだろう。それがそのまま、モチベーションを表している。

※嫌だ、不意打ちは卑怯だ…と思うかもしれない。

一方で、「学習した内容を他人に教えてもらう」ということであれば、それほど「えーっ」とはならないはずだ。「よし、他人に教えることができるように、しっかり学習しよう」という気持ちになるはずだ。この状態では、内発的動機が傷つくということはないのだ。

テスト勉強は機械的な暗記に有利?

テスト勉強は機械的な暗記に有利ではないか、という話がある。

これは、根拠のない話ではない。

別の実験になるが、小学生を対象とした実験がある。課題は、教科書の「文章を読む」というものだ。大学生の実験と同様に、小学生たちを2つのグループに分ける。最初のグループには「あとでテストする」と言い、後のグループには「文章を読め」とだけ指示する。

その結果だが、内容の理解度については、後者の「文章を読め」とだけ指示されたグループの方が高かった。だが、機械的な暗記については、前者の「あとでテストする」と言われたグループの方が優れていた。この結果をみれば、テスト勉強は暗記に適している…と思うかもしれない。

テスト勉強で覚えたこと ⇒ すぐに忘れる

この実験の1週間後に、被験者の小学生たちに「どれぐらい覚えているのか」について調べた。

その結果だが…すべての子供が機械的な暗記については落ちていた(覚えたことは時間が経つと忘れるので、当たり前のことだ)。興味深いのは、「あとでテストする」と言われたグループの子供たちの忘れた量がより多かったことだ。

彼らは、「テストがあるから…」ということで、内容をすっ飛ばして表面的な記憶をしたのだ。その結果、テストが終われば「きれいさっぱり忘れる…」ということにつながったのだろう。

※これは、徹夜のテスト勉強にもつながる話だ。

テストで尻をたたかない

テストで尻をたたいても、効果的な学習はできない。

親が家庭学習で、「あとでテストするから、ここを勉強しなさい」というやり方をしても、効果がないということだ。そのとき子供は、内容の理解よりも機械的な暗記に走るだろう。

つまり、外的な統制(テスト)ではなく、内発的な動機づけにモチベートされた方が、優れた学習になるのだ。なので、「できなかったら厳しく叱る」みたいな方法はNGだ。子供を統制しながら学習させる、というのはNGなのだ。※理解が伴わないため、良い結果にならない。

内発的動機づけは、豊かな経験、概念の理解度の深さ、レベルの高い創造性、よりよい問題解決を導く。その一方で、統制は、内発的動機づけや課題の遂行を低下させるだけでなく、損得勘定の実利にさとい人には残念なことに、創造性や概念理解、柔軟性を必要とするような課題の成果に妨害的な効果をもたらすのである。
出典:人を伸ばす力 p.68

統制することを動機づけに使うと、集中力や思考力、直観力や創造性などが妨げられるそうだ

たとえば大人でも、他人が設定したノルマに追われるとそれらの力を失う…ということがある。ノルマを達成することだけに意識がとられ、視野が狭くなることは確かだろう。また、プロセスを楽しめないので、その状態が続くと「いいかげん嫌気がさす…」ということになる。

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まとめ

今回は、子供のテスト勉強は学習にならない、ということを書いてみた。

テストで尻をたたくなど、統制的なやり方ではダメだ、ということがわかると思う。親としては、いかに統制的なやり方を排除するか…というのが、最初にクリアすべきハードルだ。統制的なやり方というのは(親の力を行使すれば)かんたんなので、思わず手を出したくなるものだ。

しかし、それではダメで、安易な道に正解はなし…ということだ。

今回の記事:「子供のテスト勉強は学習にならない」

参考文献: 人を伸ばす力