伝記を子供に読ませた方がいい理由5つ
あなたは子供に本を読ませているだろうか?
子供に本を読ませている、という親御さんは多いと思う。その中に、「伝記」は含まれているだろうか?普通の本もいいと思うが、「伝記」を読ませることには、特別な意味がある。
今回は、伝記を子供に読ませることについて書いてみたい。
目次
読書は国語力と関係がある
読書は、国語力と関係がある。
このことは、直感どおりだ。
多くの親の直感どおり、読書は国語力アップに有効な手段だ。
読書は先に述べた、「情報」と「情報処理」の両方に効く。読書をすれば、語彙や知識が豊富になる(情報)。さらに、本を読めば、内容について考えたり、内容から何かを感じたり、想像したり、という作業が自然に発生する。これらの作業を行うことで、考える力、感じる力、想像する力が伸びるのだ(情報処理)。
出典:子供の国語力をつけるには?
まず、読書により、多彩な情報をインプットすることができる。
そして、インプットした情報を処理する、というプロセスを通じて、考える力、感じる力、想像する力など(情報処理能力)の向上が期待できるためだ。※知識の総量も増える。
なので、子供の国語力を上げたければ、読書をさせた方がいい。
伝記を読む意味
本もいろいろだが、ここでは伝記本を取り上げる。
伝記を読む意味だが、まず、「過去を知る」ということがある。
「自分が生まれる前のことについて無知でいることは、ずっと子供のままでいること」と、本質をズバリと突いた表現を残した人がいる。※歴史を学ばない人は子供に等しい、というわけだ。
歴史を学ぶ=伝記を読む、ではないかもしれないが、過去の偉人の業績を知ることは、歴史を学ぶことに通じる。伝記に書かれている内容は、当然過去の話なので、歴史を学ぶことにもなる。
先人に学ぶことができる
伝記を読むことで、先人に学ぶことができる。
伝記を読んでも、現代は昔とは状況が全く違うし、あまり参考にならない…昔の偉人の成功モデルは、今となっては陳腐なものだ…と思うかもしれない。※これには、正しい部分もある。
だが、それは伝記の読み方を間違えているのだ。
インプットから本質を抽出する努力をしたい。
このことを言い換えれば、インプットから(分野横断的に)汎用的に応用できる原理や洞察、教えやいましめなどを読み取る、ということだろうか。※個別具体的な事象から、より上位の概念を導き(抽象化し)、自分のものにする、ということだ。
出典:インプットをアウトプットにつなげる方法
個別具体的な事象から、より上位の概念を導く、という読み方が正しい。
子供がいきなりこのような読み方をできるとは思わないが(当初はする必要もないだろう)、伝記を読むことで、時代背景などが今とは違っていても、先人に学ぶことができる、ということは知っておいて損がない。※高次へ抽象化できれば、古い・新しいは、あまり関係なくなる。
教養を深めることができる
伝記を読むことで、教養を深めることができる。
日本人であれば、最低限知っておいた方がいい、という偉人たちがいる。彼(女)たちを知らないことは、ある意味恥ずかしいことだ。
たとえば、海外のビジネススクールでは、ケース・スタディの中に、日本人の名前が出てくることがよくある。そのとき、名前ぐらいしか知らないのでコメントできない…ということでは、クラスメートから白眼視されることになるだろう。※「何でここにいるの?」となりかねない。
そうならないように、偉人と呼ばれる人については、知っておいた方がいい。
※これは、日本人として最低限のたしなみ(教養)だ。
努力の意味を理解できる
伝記を読むことで、努力の意味を理解できるようになるかもしれない。
小さなお子さんは、伝記を読み聞かせてもらったり、自ら読むことにより、理論的ではなく、イメージとして人生のあり方を学ぶことになります。
たとえば、辛いことがあったとしても、それを乗り越える努力をすることの意味を、しっかりと理解していくわけです。また、頑張ることの意味や価値を把握することができるようになります。
出典:お子さんに伝記を読み聞かせる価値とは
何かを成し遂げた偉人は、地道な努力を重ねることにより、成長を続け、偉業を成した人だ。このプロセスを学ぶ(追体験する)ことにより、努力の意味を理解できるようになるのだ。
また、偉人は、偉人になる過程でさまざまな失敗をしている。
このことには、「失敗してもいい」、「失敗よりも、チャンレンジすることが大事」という示唆が含まれている。汎用性の高い「示唆」は、上で述べた抽象化した概念だが、それを読み取ることができれば、大きな成長につながる。※これは、意識しないとむずかしい。
何かのきっかけになるかもしれない
また、伝記を読むことで、何かのきっかけになるかもしれない。
子供が伝記を読んで、「○○になりたい」と思うようになっても、何ら不思議なことではない。
また、その分野に興味を持ちはじめるかもしれない。私は大人になってから「フェルマーの最終定理」という本を読んで、数学に対する見方が大きく変わったが、もし、中高生の時代に読んでいれば、数学が嫌いになることもなかっただろう(笑)。※数学に興味が湧いたと思う。
伝記を読むことで、今よりも良い方向に進む可能性がある、ということだ。
伝記はコスパにすぐれる
伝記を読ませる、ということは、比較的簡単にできることだ。
※読書嫌いの子供の場合は、むずかしいかもしれないが…
たとえば、図書館を利用すれば、無数の伝記に触れることができる。
その中から、お気に入りのものができれば、買って手元に置けばいいのだろうと思う。※もちろん、目利きに自信があれば、最初から買ってもいい。とにかく、伝記本の入手は容易だ。
空から降ってくる雨(水滴)は、地面で最初に触れた物質の性質を帯びるといわれている。人間にも同じことがいえるのではないか。人生で最初に強い印象を与えてくれた人の影響を、良くも悪くものちのちまで引きずるのだ。だったら、できるだけ立派な人間を通じて「人間とはこういうものなのだよ」と教える方がいいはず。伝記本くらい手軽に、この役割を果たしてくれるものはない。
出典:男の生き方: 誇り高く、信念をもて、著者: 川北義則
伝記の場合は、入手コストに比べて、大きな効果が期待できる。
※つまり、コストパフォーマンスがいいのだ。
人は、人生で最初に強い印象を与えてくれた人の影響を、良くも悪くものちのちまで引きずるのだ。だったら、できるだけ立派な人間を通じて「人間とはこういうものなのだよ」と教える方がいいはず、という言葉には共感できる。そういうことが、あるかもしれない。
まとめ
今回は、子供に伝記を読ませた方がいい理由について書いた。
今回の記事で書いたのは、1)先人に学ぶことができる、2)教養を深めることができる、3)努力の意味や価値を理解できる、4)何かのきっかけになる可能性がある、5)コスパに優れる、の4つだ。
読書が嫌いな子供であれば、そこの改善から始める必要があるが、読書が好きな子供であれば、優れた伝記をすすめてあげれば、自発的に読むだろう。子供に伝記を読ませていいことはたくさんあるが、悪いことは、ひとつも思い当たらない(笑)。子どもには、伝記を読ませよう。
今回の記事:「伝記を子供に読ませた方がいい理由」